テスラ、テキサス州でリチウム精製を検討:税制優遇措置を求める
2021年10月16日(土)、米国テキサス州オースティンのヤード開発内にある新しいテスラ・サウス・オースティンのショールーム。Photographer: Mark Felix/Bloomberg.

テスラ、テキサス州でリチウム精製を検討:税制優遇措置を求める

テスラはテキサス州湾岸にリチウム精製所の候補地を画策している。テスラはヌイセス郡に「電池用水酸化リチウム精製施設」の建設を検討しており、「北米で初めて」とアピールしているという。

(ブルームバーグ)  -- テスラはテキサス州湾岸にリチウム精製所の候補地を画策している。

テキサス州会計検査院に提出された減税措置の申請書によると、電気自動車(EV)メーカーのテスラはヌイセス郡に「電池用水酸化リチウム精製施設」の建設を検討しており、「北米で初めて」とアピールしているという。

建設された場合、テスラは州に対して、この施設が「原料の鉱石をバッテリー製造に使用できる状態に加工」し、その結果できる水酸化リチウムを「梱包してトラックや鉄道でテスラのバッテリー製造拠点に輸送し、大型バッテリーや電気自動車に必要なサプライチェーンを支える」と説明している。

テスラはまた、使用するプロセスは「革新的で、従来のプロセスと比較して、危険な試薬の消費が少なく、使用可能な副産物を生み出すよう設計されている」と述べている。

建設は早ければ2022年の第4四半期に開始されるが、商業生産に達するのは2024年の第4四半期となる。テスラは州に対し、施設は「メキシコ湾岸航路にアクセスできる場所ならどこでもよい」としながらも、ルイジアナ州の競合地を評価中であることを明らかにした。

テスラはコメントを求めたところ、すぐに返答はなかった。

埋蔵金|2025年の生産量と精製能力の予測、単位はメトリックトン(MT)

テスラの最高経営責任者イーロン・マスクは、昨年の大半を費やして、北米でのリチウム採掘の急速な発展を煽り、その機会をソフトウェア産業で一般的に作られる太い利幅になぞらえている。

「リチウムの精製事業への参入を、もう一度起業家に呼びかけたい。採掘は比較的簡単だが、精製はもっと難しい」と、マスクは7月に行われたテスラの第2四半期決算説明会で述べた。「負けられない、お金を刷るライセンスだ」

ドイツやオーストラリアでは、今年初めに最初の製油所で生産を開始するなど、他の国でも同様の工場を追加するプロジェクトが何十件も進行中である。世界トップのリチウム生産者であるアルベマールは、米国南東部に新たな処理場の建設を計画している。

中国は現在、リチウムの精製を独占的に行っており、鉱山で採掘された原料や塩分の多い地下鹹水から、電気自動車のバッテリーに使用される特殊な化学物質に加工する世界の生産能力の半分以上を占めている。

リチウムの採掘施設は、マスクが拡大するテキサス帝国の最新の追加施設となる。今年生産を開始したオースチンの自動車工場に加え、マスクはテキサス州ボカチカに巨大なロケットの試作と打ち上げ施設を建設している。彼のトンネル掘削会社であるボーリング・カンパニーも、テキサス州内で数多くのプロジェクトを進めている。

テスラは以前、オースティン工場に隣接して同様の電池材料を製造する許可を申請しているが、現在の状況は不明である。

Sean O'Kane, Shelly Hagan. Tesla Evaluating Lithium Refinery in Texas, Seeks Tax Breaks.

© 2022 Bloomberg L.P.

翻訳:吉田拓史、株式会社アクシオンテクノロジーズ

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