
AI動画スタートアップのRunway AI、Google、NVIDIAから1億4,100万ドルを調達
数文字入力するだけで短い動画を作成できる人工知能ソフトウエアを手掛けるRunwayAIは、AlphabetのGoogle、NVIDIA、Salesforceなどから1億4,100万ドルの資金を調達した。
(Bloomberg) -- 数文字入力するだけで短い動画を作成できる人工知能ソフトウエアを手掛けるRunwayAIは、AlphabetのGoogle、NVIDIA、Salesforceなどから1億4,100万ドルの資金を調達した。
木曜日に発表される予定のRunwayの新たな資金調達は、フェリシス・ベンチャーズが主導した12月の5,000万ドルのシリーズC資金調達ラウンドの延長線上にある。新たな資金注入により、2018年からAIベースの映画・編集ツールを作ってきたRunwayは、約2億3700万ドルを調達したことになる。
Runwayは、AIに対する世界的な関心の高まりの最先端にいる。今年に入り、投資家たちはAIスタートアップ、特に文章などの入力を受けて詩や画像などの新たなコンテンツを生成する生成AIに注力する企業に数十億ドルを注ぎ込んでいる。しかし、AIチャットボットや画像ジェネレーターを生み出す新興企業は増えているものの、動画はまだ黎明期にあり、AI技術の新たなフロンティアとなる可能性がある。
Runwayの最新の取引は、ニューヨークを拠点とする新興企業を15億ドルで評価するものである。12月、Runwayの評価額は5億ドルだった。米メディアInsiderは以前、この資金調達の詳細をいくつか報じている。
Runwayの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のクリス・バレンズエラはインタビューで、同社は今回の資金調達で、動画・画像生成AIモデルの追加研究を行う予定だと述べた。
OpenAI、Stability AI、Midjourneyといった企業が提供するシステムのように、1枚の画像を作成するよりも、書かれたプロンプトから動画を生成する方がはるかに複雑だ。この違いは、1枚の写真を撮るのとビデオを撮影するのと似ている。例えば、「夕暮れのビーチに打ち寄せる波」のようなプロンプトに対してビデオを生成する場合、物理学の複雑さを説明しなければならない。これらは、Runwayが現在も取り組んでいる課題である。
「私たちにとって重要なキーワードは一貫性だと思います。しかし、一貫性とともに、モデルの操作性を向上させる必要があります」
Runwayの最新製品は「Gen-2」であり、書かれたテキストに反応して短い無言のビデオを吐き出すことができるAIシステムで、現在オンライン、iOSアプリ、Discordチャンネルで利用できる。このツールはGen-1に続くもので、ユーザーが入力ソースとして動画をアップロードする必要があり、(テキストプロンプトや静止画などのユーザーガイダンスとともに)新しい無音の短い動画を生成するために使用される。同社はまた、映画制作者向けのウェブベースの編集ツールも製造しており、テキストから画像へのAIモデル「Stable Diffusion」のオリジナル・バージョンの開発にも貢献している。
NVIDIAのCEOであるジェンセン・フアンは声明の中で、Runwayのテクノロジーはアーティストの仕事の仕方やストーリーの語り方を変える可能性があると述べた。「生成AIはコンテンツ制作業界を変革している」とフアンCEOは述べ、「想像もできなかったストーリーやアイデアに新たな命を吹き込む」と語った。
AI Video Startup Runway Raises $141 Million From Google, Nvidia
By Rachel Metz
© 2023 Bloomberg L.P.
翻訳:吉田拓史