2兆ドルの暴落はクリプトを根底から揺さぶる
コインベース・グローバル、ジェミニ・トラスト、ブロックファイなどのクリプト企業は今月レイオフを発表した。Photographer: Michael Short/Bloomberg.

2兆ドルの暴落はクリプトを根底から揺さぶる

2兆ドルの自由落下が暗号を根底から揺るがす。短い人生の中で何度も大きな下降を経験してきたクリプト(暗号通貨)市場は、これまでで最大の試練に直面しているのかもしれない。

ブルームバーグ

(ブルームバーグ) -- 孤立していた技術者にとって、クリプト(暗号通貨)の「オール・フォー・ワン」(全員が1つの目標のために)の倫理観は最大の魅力だった。しかし今、暗号通貨の世界にパニックが広がっており、同じ倫理観がクリプトの生き残りにとって最大の脅威となりつつある。

今年、暗号通貨市場は「リスクオフ」として始まり、米連邦準備制度理事会(FRB)が突然過剰な取引を抑制することを決めたことで売りが加速し、2008年の世界金融システムを崩壊させたデリバティブのもつれに少し似ている相互関係の網が露呈している。ビットコインが史上最高値から70%近くも下落したように、アルトコインの一群も急落した。分散型金融の実験として注目を集めたテラ・エコシステムの崩壊は、アルゴリズムによるステーブルコインが米ドルとのペッグを失ったことに始まり、400億ドルのトークンが事実上無価値となる銀行融資で幕を閉じた。ある日、融資を支えるのに十分な価値があると思われたクリプト担保は、大幅に値引きされたり、流動性が低下したりし、それまで無敵だったヘッジファンドや有名な金融機関数社の運命が怪しくなった。

メルトダウンを生み出した種は、強欲、レバレッジの使い過ぎ、「数字は上がる」という独断的な信念など、何も新しいものではない。事実上、他のあらゆる資産バブルが弾けたときに存在してきたものだ。しかしクリプトでは、特にこの瞬間、新しい、まだほとんど規制されていない業界に、境界があいまいでフェイルセーフが弱く、関係者全員が一緒に金持ちになれるという確信のもとに、それらが一挙に上陸しているのだ。

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