取引停止と救済措置…クリプトの残酷な1週間

(ブルームバーグ) — 先週、暗号通貨（クリプト）市場のメルトダウンは深まり、主要プレーヤーは清算、出金凍結、取引停止、そして少なくとも1つのケースでは救済措置と争うことになった。

クリプトブローカーのボイジャー・デジタルは金曜日に取引、入金、出金の停止を発表した。大手デジタル資産貸し手のブロックファイが取引所FTX USの支援を受け、買収される可能性が出てきた。両社は、今週、英領バージン諸島の裁判所によって清算を命じられ、ニューヨークで第15章破産保護を申請した苦難のクリプトヘッジファンド、スリーアローズキャピタルの苦境の煽りを受けた。

一方、クリプト市場は低迷し、約2兆ドルの市場価値を一掃した下落に加え、7月4日の長い週末に向けて市場参加者を不安な気持ちにさせている。

クリプト投資家でBloomberg Opinionの寄稿者であるアーロン・ブラウン氏は、「私は6月中旬にドミノ倒しが止まったと思い始めていた」と述べている。「私は具体的な予測はしないが、火曜日の朝までにもっと悪いニュースがあると思う」

業界の最近の流動性の問題の多くは、5月に崩壊して大きな市場の痙攣を引き起こしたテラ・エコシステムの一部であるLunaから、ビットコインまであらゆるものに強気の賭けをした後に大きな損失を被ったスリーアローズのトラブルから生じている。元クレディ・スイスのトレーダーであるZhu SuとKyle Daviesによって2012年に設立されたスリーアローズは、昨年の強気相場における業界の行き過ぎを象徴する存在となっており、市場が反転した際に破壊的なレバレッジを築いた。

彼らが業界に与えた影響の全容が明らかになりつつある。Blockchain.comとクリプトデリバティブ取引所のDeribitは今週、スリーアローズの清算を求めた債権者の中に含まれていることを確認した。Blockchain.comの広報担当者は、虚偽の情報に関してシンガポールの中央銀行から警告を受けたスリーアローズの活動に対する進行中の調査にも協力していると述べた。

コインファンドのマネージングパートナーであるアレックス・フェリックスは、「クリプトは生まれたばかりの産業だが、全く新しい少数の取引相手のビジネスを争うサービスプロバイダーの間で激しい競争が展開された」と述べている。

Multicoin Capitalの共同設立者兼マネージング・パートナーのカイル・サマニは、適切な規制と透明性が必要であり、小売顧客を保護するために業界連合が結集すべきであると述べた。

ボイジャーのスティーブン・アーリック最高経営責任者（CEO）は、戦略的な代替案を検討するためにさらなる時間が必要だと述べ、同じく引き出しを停止したセルシウス・ネットワークも追求していることを明らかにした。この問題に詳しい人物によると、業界の最後の貸し手として活動してきたサム・バンクマン＝フリードは、以前にセルシウスからの救済要請を断っているとのことだ。

エーリックは声明の中で、「これはとてつもなく難しい決断だったが、現在の市場状況を考えると正しい決断だと信じている」と述べた。

ボイジャーは金曜日のニュースを受けて米国での取引で43%も急落し、最もパフォーマンスの悪いクリプト株の1つになった。ニューヨークに拠点を置くボイジャーは、クリプト取引、ステーキング（特定の暗号通貨を保有することで報酬を得る方法）、および利回り商品を提供している。

先月、ボイジャーはスリーアローズに対し、およそ6億7,500万ドル相当の融資について債務不履行の通知を出した。英領バージン諸島の裁判所命令による清算手続きを含め、クリプトヘッジファンドからの債務回収を積極的に進めている。バンクマン＝フリードのトレーディング会社であるAlameda Researchから与信枠を獲得している。

バンクマン＝フリードは、業界における圧倒的な影響力を確固たるものにするために、すでにさらなる買収を視野に入れている。クリプトマイニング業界は、彼の次のターゲットになるかもしれない、と彼は言った。

--Matt TurnerとOlga Kharifの協力を得ている。

Yueqi Yang and Hannah Miller. Crypto’s Brutal Week Ends With a Trading Halt and a Bailout.

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