JICが新ファンド組成、上場スタートアップなどに投資-400億円規模[ブルームバーグ]
Photographer: Nicholas Takahashi/Bloomberg

JICが新ファンド組成、上場スタートアップなどに投資-400億円規模[ブルームバーグ]

産業革新投資機構(JIC)は31日、上場済みのスタートアップ企業などを投資先とする新たなファンドを組成すると発表した。規模は400億円。新ファンド名は「JICVGIオポチュニティファンド1号投資事業有限責任組合」。

(ブルームバーグ):産業革新投資機構(JIC)は31日、上場済みのスタートアップ企業などを投資先とする新たなファンドを組成すると発表した。規模は400億円。新ファンド名は「JICVGIオポチュニティファンド1号投資事業有限責任組合」。

発表資料などによると、存続期間は10年だが、延長の可能性がある。ベンチャーキャピタル(VC)ファンドの既存投資先で、投資満期で受け皿を探している企業などの発行済み株式を直接買い取る「ダイレクト・セカンダリー」取引と、新規株式公開(IPO)後の資金調達に課題を抱えるベンチャー企業への投資に特化して成長を支援する。

投資配分は、ダイレクト・セカンダリー取引に100億円、上場スタートアップに300億円を予定。JICの久村俊幸最高投資責任者(CIO)は、同日の会見で新ファンドについて、「夏明けから」活動を始めたいとの意向を示した。「民間資金がない分野」であるとし、この戦略が有効とみて「続くファンドがたくさん出てくるといいと思っている」と述べた。

日本のベンチャー投資では、創成期にある企業に投資するファンドに比べ、ある程度成長した企業に対する大規模なリスクマネーの供給が限定的なことや、創成期のベンチャー企業に投資した国内VCファンドの存続期間満了の増加が見込まれている。こうした中、JICは国内スタートアップ全体の強化・拡大に寄与したい考え。

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