上海でコロナ感染急増、発熱外来に長い列-休業相次ぎ街は閑散
出典:ブルームバーグ

上海でコロナ感染急増、発熱外来に長い列-休業相次ぎ街は閑散

中国の上海市は5月末まで2カ月余り、新型コロナウイルス感染拡大予防で厳しいロックダウン(都市封鎖)が課されたが、それから約7カ月経過した現在、コロナ禍はほとんど妨げられることなく人口2500万人の同市に広がり始めている。

(ブルームバーグ):中国の上海市は5月末まで2カ月余り、新型コロナウイルス感染拡大予防で厳しいロックダウン(都市封鎖)が課されたが、それから約7カ月経過した現在、コロナ禍はほとんど妨げられることなく人口2500万人の同市に広がり始めている。

市内の病院は患者急増に対応しきれず、薬局では一部の薬が不足。従業員の感染で休業する企業が相次いでいるほか、大半の学校は休校となっている。公共交通機関の利用も急減した。

上海市最大の公立病院の一つである同仁病院では集中治療室(ICU)に入りきれない重体患者を廊下に収容して治療している。発熱外来の前には明らかに具合が悪そうな数十人が寒さの中で列を作って受け付けを待っているのが見られた。同病院近くの幾つかの薬局は風邪薬や解熱剤の在庫がなくなったとして営業を停止していた。

医療関係者は患者が多過ぎる上にスタッフの間でも感染が広がっており、一段と状況は深刻化していると述べた。以前は病院内に入るためにはPCR検査の陰性を示さなければならなかったが、上海市がこの規定を停止後、患者が増加することにもなった。

医療体制が逼迫(ひっぱく)する中で薬不足も深刻化。ソーシャルメディアや新聞は、多くの人々が海外製や中国で販売が承認されていない医薬品をオンライン販売で入手しようとしている様子を伝えている。

米ファイザーが中国国有企業を通じて経口抗ウイルス薬「Paxlovid(パキロビッド)」を本土で販売する契約を結んだと今月発表したばかりだが、中国版ツイッターと呼ばれる微博(ウェイボ)ユーザーの女性は、親族がいるバングラデシュで製造されたパキロビッドのジェネリック(後発品)を購入すると18日に投稿。この投稿はすでに削除されているが、中国がパキロビッド数万箱を輸入したと聞いたとこの女性は記していた。

21世紀経済報道は、広東省で働く1人がパキロビッド1箱を買うため香港のエージェントに本土の定価の2倍以上に当たる5800元(約11万円)を支払ったと報じた。

上海の澎湃新聞によると、政府が厳格なコロナ関連規制の緩和に向かう最初の暫定措置を11月に打ち出して以後、購入代理店は外国製のジェネリック抗ウイルス薬5万箱余りを販売したという。

原題:Covid Surge Hits Shanghai With Crowded Hospitals, Empty StreetsBlack Market Covid Pill Buying Booms in China as Cases Surge (1) (抜粋)

(5段落目以降を追加して更新します)

--取材協力:Jinshan Hong、Zibang Xiao.

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