
米決済新興企業ボルトが荒々しい方法で築いた110億ドルの企業価値
破竹の勢いで評価額110億ドルに到達した米決済新興企業のボルト。しかし、若干27歳のライアン・ブレスロウは突然CEOを退任。一部の投資家は持ち株の売却を検討しており、顧客はボルトの技術に疑問を抱いている。
[著者:Erin Woo, Maureen Farrell]一夜にして巨万の富を築く起業家がひしめくシリコンバレーでも、ライアン・ブレスロウは異彩を放っている。
彼は、8年前に19歳で創業した新興企業ボルト・フィナンシャルで、退屈だが重要なオンライン決済のビジネスに揺さぶりをかけることを約束した。彼は、資金調達の達人に成長した。『フォーブス』誌の表紙を飾った彼の純資産は20億ドルと推定されている。
ブレスロウの魅力とビジョンは投資家を魅了し、ボルトは驚異的なスピードで資金を調達することができるようになった。ピーター・ティールのファンドからブラックロックまで、一流の投資家が10億ドル近くを投じている。ボルトの技術は、基本的にアマゾンの「今すぐ購入」ボタンのバージョンで、オンライン販売業者のウェブサイトに差し込むだけで、簡単にチェックアウトできる。
わずか3年余りで、ボルトの企業価値は2億5,000万ドルから110億ドルへと急騰し、バレーのサクセスストーリーとなった。ブレスロウが通っていたスタンフォード大学では、「ほとんどライアン崇拝のようなものが巻き起こっている」と、ボルトの初期投資家であるトレバー・トレイナは言う。
しかし、ボルトがパートナーシップや資金調達について話し合った50人以上の元・現従業員、顧客、投資家、その他へのインタビューや、最近大口顧客から起こされた訴訟によると、ボルトの急成長は、少なくとも部分的には真実を”引き延ばす”パターンによって促進されてきた。彼らのほとんどは、公の場で話す権限がないため、匿名を求めた。