SBG出資の暗号資産帝国にほころび、FTX破綻の余波

暗号資産市場のメルトダウンが拡大する中、暗号資産取引を手掛けるジェネシスが融資部門における引き出しと新規ローン組成を停止したことで、親会社の米デジタル・カレンシー・グループ(DCG)に望みもしないスポットライトが当たっている。

SBG出資の暗号資産帝国にほころび、FTX破綻の余波
Digital Currency Group Inc.の創設者兼最高経営責任者のBarry Silbert. Photographer: Joe Buglewicz/Bloomberg

(ブルームバーグ):暗号資産(仮想通貨)市場のメルトダウンが拡大する中、暗号資産取引を手掛けるジェネシスが融資部門における引き出しと新規ローン組成を停止したことで、親会社の米デジタル・カレンシー・グループ(DCG)を率いるバリー・シルバート氏に望みもしないスポットライトが当たっている。

リンクトインに掲載された情報によると、シルバート氏(46)は2015年に暗号資産分野の複合企業であるDCGを設立。同社は昨年、ソフトバンクグループ主導で7億ドル(現在のレートで約980億円)を調達し、企業価値100億ドルと評価された。月初時点の従業員数は66人、ポートフォリオ上の企業は200社余りに及ぶ。

DCGの事業は多岐にわたり、ジェネシスに加え、デジタル資産運用会社グレースケール・インベストメンツを保有。仮想通貨メディアのコインデスク、仮想通貨交換業者ルノなども傘下に抱える。DCGにシルバート氏とのインタビューを要請したが、断られた。

暗号資産交換業者FTXの経営破綻の影響が業界全体に波及する中、主力企業であるジェネシスの引き出し停止で、DCGの健全性が疑問視されている。

米デューク大学のキャンベル・ハーベイ教授(金融学)は「ここから学べる教訓は多い。今後はデューデリジェンス(資産査定)のレベルが引き上げられる公算が大きい。創業者にどれだけ人気があっても、もはや不透明なオフショア事業体に大きなエクスポージャーを持つことは容認されない」と語った。

一方、グレースケールは今回の混乱による影響が比較的少なく、自社の商品は正常に機能していると16日に表明した。それでも107億ドル規模の投資信託「グレースケール・ビットコイン・トラスト」(GBTC)は裏付けとなるビットコイン価格との比較で記録的な割安水準にある。

ジェネシスのディラー・イズリム暫定最高経営責任者(CEO)は今回の停止措置について、対象は融資部門のみでスポットとデリバティブ(金融派生商品)の取引、カストディー(保管・管理)事業は「引き続き完全に運営している」と説明。

DCGの広報担当、アマンダ・コーウィー氏は今回の決定について、「FTXの破綻による極端な市場の悪化と業界への信頼感喪失に対応するものだ」とした上で、「対象はジェネシスの融資部門だけで、トレーディングやカストディー事業には影響しない。DCGと傘下の完全子会社に事業運営上の影響はない」とコメントした。

By Katie Greifeld、Vildana HajricNov 17, 2022, 3:25 PM - Updated on Nov 17, 2022, 3:25 PMWord Count: 53

原題:Silbert’s Once-$10 Billion Crypto Empire Is Showing Cracks (1)(抜粋)

-- 取材協力:Muyao Shen、Olga Kharif、Anna Irrera.

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