台湾、中国によるネットや電話の遮断を阻止するため奔走
Photographer: Jakub Porzycki/NurPhoto/Getty Images

台湾、中国によるネットや電話の遮断を阻止するため奔走

地震や中国との衝突の可能性に悩まされる台湾の指導者たちは、通信障害やデジタルインフラへの直接攻撃への耐性を高める計画を加速させたいと考えている。

(ブルームバーグ) -- 地震や中国との衝突の可能性に悩まされる台湾の指導者たちは、通信障害やデジタルインフラへの直接攻撃への耐性を高める計画を加速させたいと考えている。

しかし、それは不可能なことかもしれない。

台湾のデジタル事務局を率いるオードリー・タンは、7,400億ドルの経済規模を持つ台湾が、来年末までに、有事の際にすべての通信が途絶える可能性に対処できるようにしたいと述べている。

台湾の馬祖島では、2月に中国国旗を掲げた船によって海底インターネットケーブル2本が切断され、デジタル通信が途絶える事態に陥った。それ以前にも、2006年の地震で台湾周辺の海底ケーブル8本が切断され、修復に数週間を要し、アジア全域のインターネット、銀行、国境を越えた取引に支障をきたしたことがある。この2つの出来事は、紛争や自然災害の際に起こりうることを、厳しく思い起こさせるものだった。

「私たちが学んだ主な教訓は心理的なものです」と、タンは5月17日のインタビューで語った。「帯域幅の減少に対する期待値をどのように管理するか、帯域幅の使用にどのような優先順位をつけるか、どの用途なら多少遅延が大きくても問題ないか、などです」。

台湾の馬祖島|諸島の海底ケーブルは2月に切断された

タンは、台湾にとって最悪のシナリオは、台湾の物理的な通信拠点(3つの主要通信プロバイダーとその電源)が破壊されることだと言う。

「敵は、台湾の重要な施設がどこにあるか知っている」とタンは言う。「だから、巨大地震が起きれば、それらの施設は機能停止、妨害、破壊されることが想定できる」

タンは"地震"についてよく言及する。台湾は「火の輪」として知られる地殻変動地域に位置している。しかし、地震は自然災害を指す以外に、サイバー攻撃など中国との緊張関係に関連する事件の婉曲表現でもある。

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