
ストックオプション担保ローンのリスクが米新興企業従業員を脅かす
近年、テクノロジー企業の従業員は、働いている会社のストックオプションの価値に応じたローンを組んでいた。業界が不景気に直面しそのツケが回ってきている。
[著者:Erin Griffith]サンフランシスコ ― 昨年、決済の新興企業であるボルト・フィナンシャル(Bolt Financial)が、従業員向けに新しいプログラムを開始した。彼らは会社のストックオプションを所有しており、中には書類上数百万ドルの価値があるものもあったが、Boltが売却または株式公開するまでそのお金に手をつけることはできなかった。そこでBoltは、従業員に対して、株式の価値を担保に、数十万ドルに達する融資を開始した。
5月、ボルト社は200人の従業員を解雇した。このとき、融資を受けた人たちは、90日間の返済期限を迎えた。同社は、返済のための選択肢を考える手助けをしようとしたと、この状況を知る人物は語った(その人物は公言する権限がないため匿名で語った)。
ボルトのプログラムは、非上場の技術系新興企業で働く労働者のための融資という急成長中のエコシステムの最も極端な例であった。近年、QuidやSecfiといった企業が立ち上がり、新興企業の従業員に対して、未公開企業の株式の価値を一種の担保として、ローンやその他の形式の融資を提供するようになってきている。これらの業者は、世界中の新興企業の従業員が少なくとも1兆ドルの株式を保有していると推定し、それを担保に融資を行う。