
米主導のロシア・中国孤立化作戦は頓挫しつつある
米国とその同盟国は、ウクライナに侵攻したロシアに制裁を加えたが、G20の半数の国々は署名していない。ロシアへの対応を巡って世界は割れており、影響力を巡る競争はかつてなく熾烈だ。
(ブルームバーグ) -- 6月にバイエルン・アルプスで開かれた主要7カ国(G7)首脳会議では、ウクライナと長期にわたって共に歩むことが約束された。
しかし、20カ国・地域(G20)の首脳たちは、あまり協力的でないことが判明している。
世界の経済生産の85%を占める国々で構成されるG20は、より世界を反映したものとなっているはずだ。しかし、ウクライナに侵攻したロシアへの国際制裁に参加したのは、その半分に過ぎない。
この小さな富裕国グループの高官たちは、ロシアを取り巻く経済的な網をより強固なものにするために世界中を回っている。G20の国々は、モスクワが罰則を回避するのをわざわざ助けているわけではないにしても、G20の国々が署名していないことに驚いている。

東南アジアとアフリカを訪問中のアントニー・ブリンケン国務長官が直面しているのは、居心地の悪い現実である。プーチン大統領率いるロシアを孤立させようとする米国と欧州の努力に、世界の多くの人々がついていく準備ができていないのである。
そのため、G7が提案したロシアの原油価格の上限設定などのグローバルなイニシアティブの合意はさらに難しくなり、プーチンとその主要な支援者である中国の習近平国家主席は、それぞれのグローバルなアジェンダを追求することに拍車をかけている。
最大のオプトアウトは中国である。ロシアがウクライナに侵攻する数週間前に、習近平氏はプーチン氏と手を結び、「無制限」の友好関係を宣言している。ウクライナ戦争勃発後、中国のロシア産石油への支出は急増し、6月にはロシアのエネルギー購入に前年比72%増を記録している。