
世界的な景気後退を追い風にするドバイの高級不動産市場
この1年、ドバイの不動産市場は容赦なく上昇し、この記録が長くは続かないだろうと考える人はほとんどいない。ブローカーやデベロッパーは、取引の70%以上がキャッシュで行われ、迅速な取引が行われていると話す。
(ブルームバーグ) -- インドの大富豪ムケシュ・アンバニが3月、末っ子のためにドバイに8,000万ドルの豪邸を購入したとき、それは同市の不動産市場にとって新記録となった。この記録は7カ月間続いていた。
しかし、そのわずか13週間後、ドバイの人工の木の形をした島、パーム・ジュメイラにある8ベッドルーム、18バスルームのヴィラが、謎の購入者によって3億250万ディルハム(約132億円)を支払われ、記録を更新したのである。そして今月、ドバイ土地局はパーム・ジュメイラでの1億6300万ドル相当の不動産取引を買い手を明かさずに報告し、またしても史上最高値を記録したのである。
この1年、ドバイの不動産市場は容赦なく上昇し、この記録が長くは続かないだろうと考える人はほとんどいない。ブローカーやデベロッパーは、取引の70%以上がキャッシュで行われ、迅速な取引が行われていると話す。ウクライナ侵攻後、資金の安全な逃避先を探しているロシアの富裕層から、原油価格の高騰で資金を得た湾岸諸国の新興企業創業者や投資家まで、購入者の顔ぶれもさまざまだ。