
日タイUAEがカジノ都市へ名乗り 王者マカオにプレッシャー
アジアと中東で最大の観光スポットが初のカジノ建設や許可に向けて動き出している。伝統的に保守的なこの地域に大きな変化をもたらし、マカオなどの既存の拠点に対する競争圧力を高めている。
(Bloomberg) -- アジアと中東で最大の観光スポットが初のカジノ建設や許可に向けて動き出している。伝統的に保守的なこの地域に大きな変化をもたらし、マカオなどの既存の拠点に対する競争圧力を高めている。
MGMリゾーツ・インターナショナルとウィン・リゾーツは、カジノを合法化した日本と、ギャンブルの許可に関する議論が活発化しているアラブ首長国連邦で、10億ドル規模のリゾートの計画を発表した。タイでは、シンガポールの有名なマリーナ・ベイ・サンズに匹敵する大規模なゲーム施設の建設が政治家の間で検討されているが、こうした施設に対する政府の承認が得られるかどうかは未定だ。
世界最大のギャンブル拠点であるマカオは、かつてラスベガス・ストリップの6倍のゲーミング収入で地域の需要を独占していたが、新たな拠点の設立は大きな挑戦となる。マカオは、かつてラスベガスの6倍ものゲーミング収入を得て、地域の需要を独り占めしていたが、近年、北京が資本逃避を抑制するために大金持ちを取り締まり、カジノの活動に対する監視を強化したため、中国領土としての爆発的成長の時代は終わりを告げたのである。他の観光地がバカラやブラックジャックの提供に近づいている今、マカオは観光客を誘致するために大衆娯楽に軸足を移すという困難な課題に直面している。
マカオの観光客の大半を占める中国人旅行者をターゲットにしている。中国本土の人々は、パンデミック以前にタイと日本の両国を訪れた観光客の中で最大のグループであり、2019年の外国人到着者数の約3分の1を占めている。UAEもまた、世界第2位の経済大国であるマカオを、重要な観光資源としてますます注視している。

ゲーム業界のコンサルタントで元シニアカジノ幹部であるジェレミー・ウォーカーは、「おそらくマカオが過去に持っていた忠誠心は、地域で最高のショー、つまり最高の選択肢であったため、今後は必ずしもそうではありません」と述べた。「上海に住むゲーミング顧客は、将来、飛行機に飛び乗ってマカオやシンガポール、大阪、バンコクに行くという選択肢を持つようになるだろう。彼らは、最高の体験を得られると思う場所に行くでしょう」。