![中国経済のピークは、いつ頃、どの程度の高さになるのだろうか[英エコノミスト]](/content/images/size/w2640/2023/05/taxiyoshida_Xi_Jinping_and_china_flag_Art_Nouveau_Expressionism_95b9fbd7-88fc-43e8-bc62-cc466bbba28a-1.jpg)
中国経済のピークは、いつ頃、どの程度の高さになるのだろうか[英エコノミスト]

中国は今年、「ゼロ・コロナ」体制による締め付けや検疫などの厳しさから経済を解放した。しかし、成長見通しに関する長期的な懸念から解放されたわけではない。人口は減少している。壮大な住宅ブームは終わりを告げた。電子商取引企業に対する規制の取り締まりのおかげで、共産党はかつて求愛したハイテク億万長者を屈服させた。元教師で、中国で最も有名な起業家の一人となったジャック・マーは、日本で教壇に立つことになった。
共産党は現在、繁栄よりも安全、成長よりも偉大、中国の過去の経済的成功を際立たせていた濾過された相互依存よりも頑丈な自立を重要視している。外国人投資家は警戒心を強め、移転するか、少なくともサプライチェーンを多様化することを求めている。そして米国は、中国が一部の「基盤技術」にアクセスするのを制限しようと躍起になっている。相互利益の経済学は、相互疑念の地政学に屈したのである。
こうしたことから、多くのアナリストは、今年度の予測を引き上げながらも、中国の成長に関する長期予測を下方修正することになった。中国経済はいつまで米国より速く成長できるのか、という疑問もある。その答えは、工場の受注や個人の所得よりもはるかに多くのことに影響を与えるだろう。それは世界秩序を形成することになる。
これまで、中国の内外では、中国の経済はすぐに米国を追い越すというのがコンセンサスだった。そして、その結果、中国は世界有数の軍事大国となり、米国を世界最強の国として駆逐する。これが一般的な見方である。北京大学の著名な経済学者である姚洋(ヤオ・ヤン)は、中国のGDPは2029年までに米国を追い越すことができると考えている。
しかし、ライバル国に対する中国の経済力がピークに近づいていると考える人もいる。米国の政治学者であるハル・ブランズとマイケル・ベックリーは、中国の台頭はすでに止まりつつあると主張している。彼らが言うところの「ピーク・チャイナ」の時代が到来したのであり、それは多くの人が予想していたよりもはるかにオリンピック的な頂きではない。