中国富裕層はシンガポールを目指す-習氏の経済支配強化受け流出加速

中国の富豪にとって最もホットなワインバーの一つは、上海の高層オフィスビルの上階などではなく、シンガポール中心部の6車線の高速道路に隣接する地味なバンガローの中にある。

中国富裕層はシンガポールを目指す-習氏の経済支配強化受け流出加速
2022年7月9日(土)、シンガポールのマーライオンそばの人だかり。シンガポールは、2022年7月14日に第2四半期の国内総生産(GDP)事前予想を発表する予定です。Photographer: Lauryn Ishak/Bloomber

(ブルームバーグ):中国の富豪にとって最もホットなワインバーの一つは、上海の高層オフィスビルの上階などではなく、シンガポール中心部の6車線の高速道路に隣接する地味なバンガローの中にある。

シンガポールに新たに到着した富裕層にとって、「サークル33」のラウンジ内のプライベートラウンジが通過儀礼の場所となっている。そこでは中国やシンガポール、マレーシア出身の会員が午前2時過ぎまでボルドーワインやキューバ製のシガーを片手に、ポーカーを楽しみながら大規模な取引について語り合う。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

2022年11月2日(水)、シンガポールのサークル33の外側の芝生にある兵馬俑の銅像。

「サークル33」の人気は、中国の超富裕層が資金と共に国外に移住していることを示す新たな兆候だ。一部の人にとっては新型コロナウイルス対策の制限措置や増税の可能性を理由とした一時的な移動だが、恒久的に移住する人もいる。

富裕層の脱出は、習近平国家主席が経済支配を一段と強化した先月の中国共産党大会を受けて加速する見通しだ。習氏の「共同富裕」の取り組みを受け、中国の起業家はシンガポールなどのより友好的な場所に殺到している。

シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院の客員上級研究員、ドルー・トンプソン氏は「中国の民間部門にとってこれからは本当に下り坂となり、問題はそれがどれぐらい急激になるかということだけだ」と指摘。「これは海外への移住や富を避難させる動きを加速させるだろう」と述べた。

2019年の抗議活動に伴う香港の魅力低下や、今年の新型コロナ対策のロックダウン(都市封鎖)を受け、中国富裕層にとってシンガポールの魅力は一段と高まっている。

香港のバリュー・パートナーズ・グループ(恵理集団)の共同創業者、謝清海氏は「多額の資金がシンガポールに流入している」と指摘。同社はシンガポールで増員している。「ファミリーオフィスが拡大し、シンガポールはこうした資金の安全な避難場所だとみられている」と語った。

中国富裕層に人気がある高級車の販売も好調だ。シンガポールのベントレーの登録台数は年初来で87台、ロールスロイスは78台と、2019年通年の水準をそれぞれ26%、90%上回っている。

原題:Xi’s Crackdowns Drive Chinese Billionaires to Booming Singapore(抜粋)

by David Ramli、Lulu Chen、Olivia Poh、Selina Xu

--取材協力:Dexter Low、Suvashree Ghosh、Jane Zhang、Faris Mokhtar、Zheping Huang.

© 2022 Bloomberg L.P.

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新たなスエズ危機に直面する米海軍[英エコノミスト]

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新型ジェットエンジンが超音速飛行を復活させる可能性[英エコノミスト]

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