中国、石炭発電の増強に乗り出す唯一の国に
ロンドンに拠点を置く気候シンクタンクE3Gの報告書によると、北京は昨年後半に新しい石炭発電所の計画を急速に加速し、パイプラインを45%増の250ギガワットに増やした。

(ブルームバーグ) -- ロンドンに拠点を置く気候シンクタンクE3Gの報告書によると、北京は昨年後半に新しい石炭発電所の計画を急速に加速し、パイプラインを45%増の250ギガワットに増やした。一方、世界の他の地域で計画されている発電所は10ギガワット減少し、世界の将来のプロジェクトの72%を中国が占めることになった。

中国が石炭火力発電所の増設を進めているのは、最近頻発する電力不足への対応であり、国のトップがエネルギー安全保障という言葉を口にするようになったからだ。同時に、再生可能エネルギーの導入を猛烈なスピードで進めているため、新しい石炭発電所の多くが高価なバックアップとなり、将来的に座礁資産となる可能性がある。
世界の他の地域で石炭を減速させているのは、そうしたリスクだ。E3Gによると、中国以外で昨年発表された新規プラントは、インドの6つの再稼働プロジェクトとインドネシアの1つの新規施設、計7つだけだった。また、北米と欧州連合では、近年初めて新規の石炭発電が提案されなかった。
E3Gは、「中国の石炭ブームは、今後5年間、新規に稼働する石炭容量と建設開始を大幅に固定化し、世界のエネルギー情勢に乖離を生じさせる危険性がある」と警鐘を鳴らしている。
“China Stands Almost Alone in Expanding Its Coal Power Fleet“ by Bloomberg News
© 2023 Bloomberg L.P.
翻訳:株式会社アクシオンテクノロジーズ