インドネシアの成長、消費者のインフレ脱却でサプライズ[ブルームバーグ]

インドネシアの成長、消費者のインフレ脱却でサプライズ[ブルームバーグ]

インドネシアの前期経済成長は、金利上昇や物価の高止まり、商品市況の減速の影響をはねのけた消費に後押しされ、加速した。国内総生産(GDP)は6月までの3カ月間で前年同期比5.17%増となった。過去2四半期の拡大幅を上回った。

(ブルームバーグ) -- インドネシアの前期経済成長は、金利上昇や物価の高止まり、商品市況の減速の影響をはねのけた消費に後押しされ、加速した。

国内総生産(GDP)は6月までの3カ月間で前年同期比5.17%増となった。これは、ブルームバーグのエコノミスト調査で予想された中央値5%を上回り、過去2四半期の拡大幅も上回った。

四半期ベースでは、1-3月期の3.86%増と予想の3.7%増を上回った。四半期ベースの成長率としては過去2年間で最も速いペースである。

米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測に市場が動揺する中、インドネシア中銀は3週連続で下落している通貨を守るため、借入コストを4年ぶりの高水準に維持する余地を与えた。

堅調な消費がインドネシアのGDP成長を牽引

ベンチマークであるインドネシアの株価指数は、このデータの後0.6%も上昇した。

前四半期の業績は、世界的なコモディティ不況の中で、東南アジア最大の経済の回復力を強調するものであった。

また、スリ・ムルヤニ・インドラワティ財務相が先週予想したように、通年のGDP成長率は5%から5.3%となる。財務相は、2024年2月の選挙に向けた支出や製造業の活発化により、中国やその他の輸出市場からの弱い需要を相殺することができると述べた。

インドネシアのGDPの半分以上を占める消費は、第2四半期に5.23%成長し、前3ヵ月間の4.54%から加速した。産業別のGDP成長率が最も高かったのは、運輸・倉庫業で15.28%、その他サービス業で11.89%、宿泊・飲食サービス業で9.89%であった。

第2四半期は、イスラム教国である同国が2つの祝祭日を祝ったこと、学校が休みになったこと、コンサートや国際会議が相次いだことから、国内活動が活発化した。

ブルームバーグ・エコノミクスのコメント

家計支出は「過去2四半期はトレンドを下回っていたが、パンデミック前の10年間のトレンドである5.0%を上回っている。政府支出も急増し、1Qの3.99%増に続き、2Qは前年同期比10.62%増となった。投資のペースは2.11%から2Qは前年同期比4.63%と2倍以上に増加した。−−タマラ・マスト・ヘンダーソン


4月のヘッドラインインフレ率は4.33%と依然高水準であったが、過去3ヵ月で中央銀行の目標範囲である2%〜4%内に急速に後退した。インドネシア統計局のエディ・マフムドによると、休暇中のボーナスと社会的援助の継続的な支給により購買力が回復した。

輸出は、パーム油、石炭、鉄鋼などのインドネシア産商品の世界的な価格急落の影響を受けた。前四半期の海外売上高は2.75%縮小し、1-3月期の11.68%の拡大から一転、2年以上ぶりの縮小となった。

-- 取材協力:Norman Harsono, Tomoko Sato, Eko Listiyori

Indonesia Growth Surprises as Consumers Shake Off Inflation

By Claire Jiao and Grace Sihombing

© 2023 Bloomberg L.P.

翻訳:吉田拓史、株式会社アクシオンテクノロジーズ

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