中国の国産自動車メーカーが台頭、国内市場を席巻へ[ブルームバーグ]
重慶で開催されたスマート・チャイナ・エキスポに出展されたBYDの電気自動車ドルフィン。Qilai Shen/Bloomberg

中国の国産自動車メーカーが台頭、国内市場を席巻へ[ブルームバーグ]

中国のEVに対する需要は、世界最大の自動車市場において、国産自動車メーカーに外国のライバルに対する揺るぎない、不可逆的なリードをもたらした。

(ブルームバーグ) – 中国のEVに対する需要は、世界最大の自動車市場において、国産自動車メーカーに外国のライバルに対する揺るぎない、不可逆的なリードをもたらした。

中国自動車技術研究センター(CATARC)のデータによると、BYDや吉利汽車に牽引され、中国企業は7月に初めて自動車販売台数の50%以上を占めた。

この成長は、フォルクスワーゲン(VW)、フォード・モーター、トヨタ自動車など、ドイツ、米国、日本の自動車メーカーの犠牲の上に成り立っている。UBSのアナリストは今月初め、より手頃な価格の中国製EVの台頭により、欧米の自動車メーカーは世界市場シェアの5分の1を失うと警告した。

中国ブランドは地元で優勢|ブランド別乗用車販売台数シェア

中国のバイヤーがますます国内ブランドを好むようになり、海外メーカーは後退している。韓国の現代自動車は生産設備を売却し、フォードは人員削減を行い、ステランティスは昨年、中国で唯一のジープ工場を閉鎖した。マツダの毛籠勝弘最高経営責任者(CEO)は就任後、中国の自動車市場の動向について公然と憂慮した。

「中国は恐ろしいスピードで進んでいる。中国での販売台数はもちろん、業績も悪化するだろう」。

BYDは中国の自動車市場で11%のシェアを占めている。低価格のシーガルやドルフィンから市場のトップエンドまで、幅広い価格帯のEVを販売する戦略が急成長の原動力となっている。現在、中国で最も売れている20ブランドのうち11ブランドが現地企業によるものだ。

ビュイック、フォード、シボレーを含む米国ブランドの市場シェアは、中国自動車技術研究センターが2008年にデータの追跡を開始して以来最低に落ち込んでいる。2019年に上海工場を開設したEVのパイオニア、テスラがなければ、状況はさらに悪化していただろう。

米国自動車メーカーが中国で失速|フォード、ビュイック、シボレーは魅力を失った

ドイツブランドはやや健闘しているものの、亀裂が入りつつある。VWは今年初め、EVモデルの不足に悩まされたBYDに中国で最も売れている自動車ブランドの座を奪われ、メルセデス・ベンツグループAGでさえ、中国での激しい価格競争に巻き込まれている。

VWはゲームに復帰するため、7月に7億ドルを投じて赤字のEV新興企業Xpengの株式5%を取得した。

負け組の中では、フランスの自動車メーカーが人気を失い、シトロエン、プジョー、ルノーの3社とも市場シェアが1%未満となっている。ステランティスのカルロス・タバレスCEOが中国での戦略を転換しているのも不思議ではない。工場を撤退し、パートナーへの依存度を高めることで、同社は資産の少ない、コスト負担の少ないビジネスを手にすることができる。

シトロエン、プジョー、ルノー、いずれもシェア1%未満|関連性を保つのに苦労するフランスブランド

--取材協力:リンダ・ルー

China’s Homegrown Automakers Rise to Dominate Domestic Market

By Danny Lee and Jinshan Hong

© 2023 Bloomberg L.P.

翻訳:吉田拓史、株式会社アクシオンテクノロジーズ

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