中国は内陸部の砂漠にも再エネの大規模展開を進める

中国は、習近平国家主席のビジョンである、内陸部の砂漠やその他の未開拓地での広大な開発により、世界最大の再生可能電力群を強化する一環として、太陽光および風力エネルギープロジェクトの第三弾を発表した。

中国は内陸部の砂漠にも再エネの大規模展開を進める
2021年9月27日(月)、中国青海省公河県にあるYellow River Power社が運営する太陽光発電所の太陽光発電パネル(写真)。Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

(ブルームバーグ) -- 中国は、習近平国家主席のビジョンである、内陸部の砂漠やその他の未開拓地での広大な開発により、世界最大の再生可能電力群を強化する一環として、太陽光および風力エネルギープロジェクトの第三弾を発表した。

地元メディアの報道によると、山東省濱州市の海岸近くにある850メガワットの太陽光発電プロジェクトは、新たな開発のひとつで、来年からクリーンな電力の発電を開始する予定だそうだ。

内モンゴル自治区などですでに建設が進められているものに加え、今後は油田やガス田、炭鉱の跡地にも設置される予定だと、業界各社は以前報じている。

中国は、砂漠地帯を中心に約455ギガワットの風力・太陽光発電の建設を目指しており、研究者は以前、ほぼ半分が2025年までに設置されると予測していた。当局は11月、最初のプロジェクト群の建設が進行中であり、第2陣の準備と計画が進められていると発表している。

中国のクリーンエネルギー牽引役|中国の太陽光発電容量は水力・風力より多くなっている

国は2022年に過去最高の87.4ギガワットの太陽光発電を追加し、砂漠プロジェクトの実現に向けた推進もあって、今年はさらに120ギガワットもの導入が予定されている。先月末には太陽光発電が水力発電を上回り、国内最大の再生可能電力供給源となった。

New Phase of Key China Renewables Push Extends Beyond Deserts

By Bloomberg News

© 2023 Bloomberg L.P.

翻訳:吉田拓史、株式会社アクシオンテクノロジーズ

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