
原子力発電に回帰する日本

女川原子力発電所の敷地内からは、海岸に打ち寄せる波の音が聞こえてくる。2011年3月11日、巨大地震が引き起こした大津波が日本の東海岸に押し寄せた悲劇を思い起こさせるのだ。女川原発は無事停止したが、180km離れた福島第一原発はメルトダウンに見舞われた。震災後、日本はすべての原子炉を停止させ、その後、ほんの一握りの原子炉が再稼働している。女川原発もそのひとつだ。
この状況はまもなく変わる。女川原発は最近、高さ29メートルの防潮堤を新たに設置したこともあり、震災後に設置された独立規制機関から安全性に関するお墨付きをもらった。2020年には、地元自治体も再稼働に同意している。発電所を運営する東北電力は、(いくつかの修理を終えた後)来年初めには再び発電を開始できるだろう。女川町の須田善明町長は、「最近、電力不足と資源費の高騰で、日本中の人が考えるようになりました。大量のエネルギーを安定的に供給する方法は他にないのか。大局的に見れば、原発は必要なのです」と言う。