英国のEVシフトは充電ネットワークの遅れに脅かされている
英国で電気自動車(EV)へのシフトが加速する中、同国の充電ネットワークが追いつかないという懸念が高まっている。約7万個の充電コネクターを奪い合う状況になっている。

(ブルームバーグ) -- 英国で電気自動車(EV)へのシフトが加速する中、同国の充電ネットワークが追いつかないという懸念が高まっている。
テスラの「モデルY」は先月、英国で最も人気のある車種となり、日産ジュークや起亜スポーテージなど内燃機関搭載のSUVを上回った。EVの需要は着実に高まっており、すでに約78万8,000台のバッテリー駆動車が国内の道路を走っている。しかし、その一方で、約7万個の充電コネクターを奪い合う状況になっている。
英国の充電ネットワーク事業者Osprey Charging NetworkのCEOであるIan Johnstonは、充電器の設置数を増やすための限界は資金ではなく、人であると言う。「私たちには十分すぎるほどの資金があります」と、彼は最近のインタビューで語っている。「現在ある主な障壁は、許認可部門の人材不足です」。
Ospreyは、自動車メーカー、電力会社、石油メジャーなど、燃焼式自動車からの脱却を目指し、英国の充電ネットワークを構築している企業のひとつだ。資産運用会社Investecの支援を受けたOspreyは、今後2年間で1億ポンド(1億2500万ドル)を投じて、充電コネクタの設置数を3倍に増やす予定だ。充電コネクタは通常、高速道路や小売店の近くに設置され、ドライバーの負担は電力1キロワット時あたり79ペンス(約130円)となっている。

ジョンストンは、ロンドンの金融街にあるOspreyのオフィスで、急速に進化するEV分野の技術、業界再編、ウォルマートの充電事業への参入について語った。以下は、会話の一部を抜粋し、長さとわかりやすさのために編集・要約したもの。
今年第1四半期に設置した充電器の数は、2022年の全設置数を上回ったそうだ。何が勢いをもたらしているのだろうか?
私たちはより大きなサイトを構築しており、過去2年間に開発した多様な不動産ポートフォリオを持つ75以上の異なる地主の広大な基盤でこれを実行している。2年前は、充電器の数は平均1.6台だったが、今では平均6台以上だ。2週間後にデヴォンでオープンするサイトでは、16基の充電器を設置する予定だ。