ロンドン、干ばつが続けば水の配給制へ
8月3日、ロンドンのグリニッジパークにある乾燥した草原。Jose Sarmento Matos/Bloomberg

ロンドン、干ばつが続けば水の配給制へ

緑が多いことで有名な英国の首都ロンドンでは、異常な暑さと雨不足の数週間で、干ばつが続いている。イギリスのほとんどの地域で、この夏の未曾有の暑さが植物やインフラ、住民を限界まで追い詰めている。

ブルームバーグ

(ブルームバーグ) -- 生きた植物の世界最大のコレクションを誇る英国のキュー・ガーデンを横切る芝生が黄色に染まっている。記録的な暑さと乾燥が続く中、ロンドン南西部のこの観光地の庭師たちは、年間100万人以上の訪問者を集める数千種類の植物や木々に灌水する方法とタイミングを慎重に選んでいる。ロンドン北部の森林公園ハムステッド・ヒースでは、火災の危険から木を守るため、職員がフェンスで囲っている。

ロンドン全体、そしてイギリスのほとんどの地域で、この夏の未曾有の暑さが植物やインフラ、住民を限界まで追い詰めている。秋を前にして緑の葉が落ちている。公園を横切ると、枯れ草がカサカサと音を立てる。時折、砂漠のような空気が漂うこともある。ロンドン近郊でも高温が原因で火災が発生。鉄道会社では、線路の座屈に対する警告を発している。ガスパイプラインは高温のため出力を低下させている。

7月13日、ロンドンのハムステッド・ヒースの乾燥した草地。クリス・ゴーマン/ゲッティイメージズ

インペリアル・カレッジ・ロンドンのCommunity Water Management for a Liveable Londonプロジェクトの研究員であるバーナビー・ドブソンは、「草の色は、最近どれだけ雨が降ったかを示す一種の良いバロメーターだ」と述べている。

ロンドンでまとまった雨が降るのは数週間ぶりだ。かつて霧雨がビッグベンのように象徴的だったこの都市と国にとって、水不足は奇妙な懸念になりつつある。また、7月に初めて温度計が40℃を超えたことも、英国の気候が変化していることを示す指標となっている。

首都圏以外では、給水制限が実施されている。水道会社サザン・ウォーターは金曜日にハンプシャー州とワイト島で、イングランド南東部で初めてのホースパイプ禁止令を施行する予定。これにより、住民が庭に水を撒く場合は、じょうろなどの保守的な方法をとるか、最高1,000ポンドの罰金に直面する可能性があるということだ。水道会社サザン・イースト・ウォーターは、8月12日からケント州とサセックス州の顧客に対して同様の禁止令を出す予定だ。

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