![香港のオフィスががらがらに[ブルームバーグ]](/content/images/size/w2640/2023/06/398902204--1-.jpg)
香港のオフィスががらがらに[ブルームバーグ]
世界で最も高価な商業不動産の一つである香港のオフィスタワーが、これほど空っぽになったことはない。香港は、かつて世界の投資家や地元の大物たちがこぞって欲しがった市場の低迷を長期化させるかもしれない、独特の課題に直面している。
(ブルームバーグ) -- 世界で最も高価な商業不動産の一つである香港のオフィスタワーが、これほど空っぽになったことはない。
億万長者の李嘉誠が所有するトロフィー資産「長江集團中心(Cheung Kong Center)」は約25%空いているが、ビクトリア・ハーバーを一望できる通りの向かいで進行中の最新プロジェクトはテナント1社と契約している。同じ大物の李兆基が近くに建設中の曲面ガラス張りの超高層ビル「The Henderson」は、わずか30%しか賃貸されていない。賃料も売却価格も暴落している。
ニューヨークからシドニーにかけて、自宅で仕事をする人が増えるにつれて商業不動産が苦境に立たされている一方で、香港は、かつて世界の投資家や地元の大物たちがこぞって欲しがった市場の低迷を長期化させるかもしれない、独特の課題に直面している。
欧米の銀行は、取引の停滞と中国による金融ハブへの支配の強化に伴い、スペースを縮小している。自国の経済が低迷しているため、この落ち込みを補うと期待されていた中国企業も、思ったほどスペースを取っていないようです。新しいビルの建設が相次げば、スペース不足に拍車がかかるだろう。
CBREグループのエディ・クォックは「市場は厳しい」と述べている。「価格下落は緩やかになるかもしれないが、反発するのは難しい」と述べた。
オフィスの不振は、長年にわたるパンデミック対策や北京の厳しいセキュリティ対策で家族連れの流出に拍車がかかり、ようやく落ち着きを取り戻した都市で際立っている。小売店の売上は回復し、レストランは満席になり、ハッピーバレー競馬場は再び賑わいを見せている。
しかし、過去最高の1300万平方フィートのオフィススペースが空席となっている。コリアーズ・インターナショナル・グループのデータによると、4月のグレードA全体の空室率は15%近くだったそうだ。これは2019年の3倍以上であり、マンハッタンの12.5%、アジアのライバルであるシンガポールの4.6%という水準を上回っている。