ソフトバンク・ビジョン・ファンド、孫氏の賭けが失敗し、過去最大の損失を計上
2020年11月4日(水)、横浜で開催された国際青年会議所(JCI)世界大会で基調講演を行い、退場するソフトバンクグループの孫正義会長兼最高経営責任者(CEO)。

ソフトバンク・ビジョン・ファンド、孫氏の賭けが失敗し、過去最大の損失を計上

ソフトバンク・グループは、ハイテク株の世界的な売り越しにより、クーパンやディディ・グローバルなどの公開株式の価値が下落し、ビジョン・ファンド部門の年間損失が過去最高となった。

ブルームバーグ

(ブルームバーグ) ソフトバンク・グループ・コーポレーションは、ハイテク株の世界的な売り越しにより、クーパンやディディ・グローバルなどの公開株式の価値が下落し、ビジョン・ファンド部門の年間損失が過去最高となった。

ビジョン・ファンド部門は、3月31日に終了した年度において、前年の4兆300億円の利益から2兆6,400億円の損失へと転落した。創業者の孫正義氏が2017年にビジョン・ファンドの立ち上げで投資持株会社に位置付けを変えて以来、最大の年間赤字となった。

世界最大のハイテクファンドは、パンデミックに起因する評価損と、かつて注目されたテクノロジーの寵児を暴落させた世界的な株式市場の低迷に悩まされてきた。ビジョン・ファンドのポートフォリオは、日本企業の年間純損失を、1年前の5兆円の利益から1兆7,100億円へと引きずり込んだ。

レデックス・リサーチのアナリスト、カーク・ブードリー氏は、決算発表に先立ち、「ポートフォリオのすべての投資案件が下がり続けている。株式が最終的にどこに行き着くかについて、より多くの懸念と心配がある」

ソフトバンクGの株価は、木曜日の8%下落を含め、年累計で17%下落している。ハイテク企業の多いナスダック100指数は27%下落し、3月にはインフレの暴走、金利上昇、米国経済の成長鈍化の可能性への懸念から弱気相場へと転落した。

ソフトバンクGの物議を醸したSBノーススター部門も、上場株式に投資している間に6,695億円の損失を出したことを明らかにした。同部隊はソフトバンクと孫氏の合弁会社で、孫氏は個人的に33%の株式を保有している。

世界的な株安は、金融緩和を背景に高倍率で取引されてきたハイテク企業ばかりを集めたソフトバンクGの銘柄バスケットに打撃を与えている。韓国の電子商取引大手Coupang、中国のライドヘイリングのパイオニアDidi、中国のオンライン不動産プラットフォームKE Holdingsなどの企業の超大型上場は、利益成長の主役から、最大の足かせになった。Coupangの株価は第1四半期に40%下落し、Didiは50%、KE Holdingsは39%下落した。

史上最も成功したベンチャー企業の1つとなった中国の電子商取引大手、アリババ・グループ・ホールディングスでさえも、輝きを失っている。ウィーワーク、ワイヤーカード、グリーンシル・キャピタルの不祥事や失策により、国際的な監視の目が向けられるようになった。

ライトストリーム・リサーチのアナリスト、ミオ・カトウ氏は、「人々は、孫氏が正しい投資判断を下せると思っていた」と述べた。「ソフトバンクの経営陣の投資判断が優れているという証拠は、今では少なくなっている。ワイヤーカードやウィーワークがその例だ。環境が変われば、それらは有効でなくなる」

Min Jeong Lee, Takahiko Hyuga. SoftBank Vision Fund Posts a Record Loss as Son’s Bets Fail.

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