世界経済のインフレ問題は緩和されつつあるが、景気後退の可能性は依然高い

エコノミスト(英国)
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この3年間の混乱の後、投資家は世界経済について楽観的になるべきいくつかの理由を得た。米国ではインフレ率が低下し、景気後退を伴わずに物価上昇を抑制する「ソフトランディング」への期待が高まっている。ヨーロッパでは、暖冬の影響でエネルギー価格が急落し、幸運が訪れた。中国経済は、習近平国家主席の破壊的な「ゼロ・コロナ」政策から解放され、回復の兆しを見せている。市場は歓喜している。米国株のS&P500指数は年初から5%上昇した。欧州や新興国の株価はさらに上昇している。

残念ながら、世界経済の問題に終止符を打つにはまだ早すぎるようだ。アメリカでは12月に消費者物価が下落し、エネルギーや商品の価格低下により、今年の年間インフレ率は2%を下回る可能性がある。しかし、物価上昇率の低下と同時にGDP成長率も低下している。小売売上高と工業生産高は12月に減少し、生産高の先行指標は大幅に低下している。これは通常、景気後退が近いことを示す。経済の中で最も健全なのは労働市場である。連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレが抑制されていることを確認するのが難しくなる。

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