米中で大手テック株の復権が進行中

昨年は暴落にさらされたテクノロジー株だが、米中で復調が鮮明になっている。中銀による金利上昇が緩むという観測の中、特に底堅い収益性を持つ大手テック企業がその価値を再認識された格好だ。


2022年3月のS&P500の上昇は、大型テクノロジー(ビッグテック)銘柄が牽引した。3月中旬以降、投資家はハイテク株の投資信託や上場投資信託に6億3,600万ドルの資金を投入しており、直近の週の資金流入額は10月以来の高水準に達しているとWSJは報じた

ナスダック100は第1四半期(Q1)で20.5%上昇し、2020年半ば以降で最大の四半期上昇率となった。この上昇がテクノロジーとインターネットの大型株に集中したことを示す指標として、同指数の均等配分型は14%未満の上昇にとどまった。

ナスダック100の時価総額は2兆4,000億ドル以上増加した。2021年後半に20兆ドル近くのピークを迎えた同指数の価値は約15兆5,000億ドルにまで戻している。

Apple、Alphabet、Microsoftの株価は、いわゆるセーフヘイブン(安全資産)としての地位を背景に上昇。このほか、Nvidia、Meta Platforms、テスラの3社が、3月の指数で最大の上昇を記録している。

NVIDIAはナスダック100とS&P500の両方の構成銘柄の中で最も上昇し、Q1で90%上昇し2001年以来最大の上昇率となった。テスラは68%上昇し、Metaは積極的なコスト削減が投資家に受け入れられ、四半期で76%上昇し、2013年以来最大。年初に時価総額2兆ドルを割り込んだAppleは、現在約2兆6,000億ドルの評価を受けた。

この上昇は一過性のものという悲観的な見方もある。モルガン・スタンレーのアナリスト、マイケル・ウィルソンは、米国株に対する最も著名な弱気論者の一人で、20%を超えるハイテク株の上昇は持続可能ではなく、このセクターは再び安値を更新すると警告した(ブルームバーグ)。

中国でも同様のムード

アリババは大規模な組織再編を発表し、会社を6つの事業部門に分割することを検討している。これは「株主価値を引き出し、市場競争力を育成することを目的とした」取り組みと受け取られている。「亡命状態」だったジャック・マーは中国・杭州市の学校を訪れたと報じられた。

イェール・ロー・スクールのポール・ツァイ中国センター、シニア・フェローであるStephen RoachCNBCの番組で、「これはうまく仕組まれたことで、政府が民間セクターへの圧力を緩和し、世界を歓迎していることを示すキャンペーンに合致していると思う」と述べた。

北京では2020年後半から中国のハイテク産業に対する規制強化が始まり、中国の大企業から合計1兆ドル以上の資金が流出した。

フィデリティ・インターナショナルのポートフォリオ・マネジャー、ジョージ・エフスタソプロスは、CNBCの番組の中で、「過去2年間にあった規制の逆風は、今や追い風になりつつある」と述べた。