MetaはApple Watchのライバルの開発を中止

Metaのスマートウォッチの開発が一時停止していると、Bloombergが9日、匿名の関係者を引用して報じた。

Facebookの親会社は、Apple Watchやサムスン電子のGalaxy Watchに対抗するスマートウォッチを作っていることを認めたことはない。また、Bloombergの記事に対するコメントも拒否している。しかし、Bloombergは、Metaがコードネーム「Milan」と呼ばれるスマートウォッチに「少なくとも2年間」取り組んできたと主張した。

同誌によると、Metaは来春に約350ドルでスマートウォッチの発売を目指していたが、作業員は「今週、このデバイスはもはや生産のめどが立たないことを告げられた」という。

Bloombergは、Apple Watchに対抗するために2つのカメラを搭載したMetaウォッチのプロトタイプの画像とビデオを見たとしている。しかし、そのデュアルカメラデザインは、ウォッチフェイスの下方に5メガピクセル(MP)カメラを1つ、装着者の腕に面したフェイスの裏側に12MPカメラを1つ搭載していたとされるが、どうやら問題の一部となっていたようだ。

Bloombergの情報筋によると、Metaウォッチの背面カメラは、(もちろん手首から外した後に)外の世界を撮影させるためのものだったそうだ。しかし、このカメラが「問題を起こした」という。筋電図とは、センサーを使って手首の神経信号を時計のコマンドに変えるという、Facebookが宣伝している技術である。Facebookは、親指と人差し指をつまんで離すことによる「クリック」、仮想キーボード、拡張現実(AR)アクセスといった用途でのこの技術の可能性を議論している。

Bloombergはまた、Meta Watchが棚上げになったのは経済的な要因が大きいとも指摘している。Metaの2022年4月第1四半期決算説明会では、2022年の予想経費を920〜970億ドルから900〜950億ドルに引き下げた。MetaのAR/VR「メタバース」に注力し、Bloombergによればスマートウォッチを開発していたReality Labsが、(MetaのFamily of Apps事業に次ぐ)2番目に大きな2022年の経費増加要因になるとMetaは予想していたというものの、だ。Metaは5月にロイターに対し、Reality Labsは経費の関係でいくつかのプロジェクトを中止・延期せざるを得なくなるだろうと述べていた。

しかし、Metaの製品を手首につけたいと切望していたのなら、まだ望みはある。Bloombergは、Metaが「他の複数の手首装着型デバイス」の開発を継続し、スマートウォッチの研究開発で得た機能を別の製品に取り入れる可能性があると主張している。

それらの機能には、2つのボタンとeSIMスロットを備えたゴールドカラーのケースに、取り外し可能なウォッチフェイス、Spotify、WhatsApp、Instagram Storiesアプリ、活動、心拍、呼吸を追跡するアプリ、写真とカレンダーアプリ、18時間のバッテリー駆動時間などが含まれるとのことだ。この製品は、統合されたアプリストアがなく、装着者は管理用にFacebookアカウントを使用する必要があったという。