米上院の気候変動対策法案は40億トンの排出をどう削減するか
テキサス州トンプソンズにある発電所の排出ガスから回収された二酸化炭素を入れるパイプ。Luke Sharrett/Bloomberg

米上院の気候変動対策法案は40億トンの排出をどう削減するか

米上院の気候変動対策法は、40億トンの排出量削減を見込んでいる。新たに1トン排出するごとに24トンの排出を回避することができると、法案を分析した研究者たちは数リモデリングで推定している。

(ブルームバーグ) -- 米上院のチャック・シューマー院内総務とジョー・マンチン上院議員が気候、エネルギー、健康のパッケージでついに合意に達したと発表し、世界を驚かせてから1週間、温室効果ガス排出への影響が見え始めている。

民主党米上院議員は当初、2022年インフレ抑制法によって2030年までに米国の排出量を2005年比で約40%削減すると述べ、気候政策の専門家であるモデラーもその目標達成は十分可能であると述べていた。プリンストン大学、シンクタンクのエナジー・イノベーション、調査会社ロジウム・グループの研究者によるIRAの3つの予備的気候モデルは、電力部門の変更、炭素捕捉技術の使用などを通じて、米国が具体的にどのように達成できるかの詳細を提供している。

木曜日には、アリゾナ州のカーステン・シネマ上院議員がこの法案を支持することに同意したというニュースがあり、民主党が少数派である上院を通過する可能性が高くなった。ここでは、気候研究者がこの法案の潜在的な影響について、5つのポイントを挙げている。

1. 新法案の成立により、米国は気候変動に関する目標達成に大きく近づく

ジョー・バイデン大統領は、政権発足後数カ月で、2030年までに経済全体の排出量を50~52%削減するという大胆な気候変動目標を掲げた。現在の政策では、分析にもよるが、24%から35%の排出量削減を達成できる見込みである。新しい法案は、米国をあるべき姿に大きく近づけるものだ。

プリンストン大学のリピート・プロジェクトが木曜日に発表した分析によると、新法案の3,700億ドルの気候変動対策費は、2030年までに米国の排出量を2005年比で約42%、つまり二酸化炭素換算で38億トン削減することになるという。

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