欧州の夏の猛暑、2万人の過剰な死者をもたらす
2022年8月12日(金)、ドイツ・ルッカウ近郊の干ばつで被害を受けたトウモロコシの苗木。

欧州の夏の猛暑、2万人の過剰な死者をもたらす

欧州が記録的な猛暑に見舞われたことで、フランス、ドイツ、スペイン、英国で2万人以上が過剰に死亡した可能性が高いことが、公式データで明らかになった。

ブルームバーグ

(ブルームバーグ)-- 欧州が記録的な猛暑に見舞われたことで、フランス、ドイツ、スペイン、英国で2万人以上が過剰に死亡した可能性が高いことが、公式データで明らかになった。

超過死亡数(2022年夏の総死亡数と過去の平均値との差)は、6月から8月にかけて西ヨーロッパを襲った3回の猛暑の間に特に上昇した。

猛暑は、既存のあらゆる病状を悪化させ、子どもや高齢者、外で肉体労働をする人などの弱者には熱中症を引き起こす可能性があるため、人間の健康にとって危険なものだ。

EUの地球観測プログラム「コペルニクス」によると、欧州は2022年に2年連続で記録的な暑さの夏を経験した。地球の温暖化が異常気象に与える影響について迅速な分析を行う科学者集団「World Weather Attribution」によると、気候変動によって6月に英国を襲った熱波は少なくとも10倍以上の確率で発生したという。7月19日に40.3℃という英国の暑さの新記録を達成し、2019年に記録したこれまでの最高値を1.6℃更新した。英国の46の気象台が同月の最高気温を記録した。

「熱波は気候変動がもたらす最大の脅威の1つです」と、ロンドンのグランサム気候変動・環境研究所の気候科学上級講師、フリーデリケ・オットーは述べている。「高温は、毎年世界中で何千人もの死者を出していますが、その多くは報告されていない」と述べている。

英国家統計局の報告によると、イングランドとウェールズでは、6月1日から9月7日の間に3,271人の超過死亡が発生したとのことである。国家統計局の報告書では、コロナウイルスによる死亡は除外されており、死亡者数は暑い日に多くなっていると指摘している。

政府機関Santé Publique Franceが2日に発表したデータによると、フランスでは夏の間、10,400人以上が死亡した。このうち4人に1人が熱波による死亡で、フランスの報告書によると、異常気温の赤色警報が出されている地域では、超過死亡者数が20%高かった。

スペインでは、健康についての調査を行っている公的機関Instituto de Salud Carlos IIIによると、6月から8月の間に4,600人以上が暑さが原因で死亡している。ドイツでは、政府機関であるロベルト・コッホ研究所の推計によると、夏の間、約4,500人が異常気温のために死亡している。

ブリストル大学の気候変動と健康に関する研究員であるユニス・ローは、「地球が温暖化するにつれて熱波はより頻繁に、より激しくなっており、将来的にはより多くの、より暑い熱波が予想される」と述べている。「観測された熱波は、人間が排出した温室効果ガスのために、より発生しやすく、より激しくなっている」

Laura Millan Lombrana. Europe’s Hottest Summer Led to 20,000 Excess Deaths.

© 2022 Bloomberg L.P.

翻訳:吉田拓史、株式会社アクシオンテクノロジーズ