
テスラはなぜ価格を上げ下げし続けるのか? 4つの理由
テスラは今年に入ってから、価格を劇的に下げたり、時折戻したりと、一見するとノンストップで価格をいじっているようだ。いったい、どうしたのだろう?
(ブルームバーグ) – テスラは今年に入ってから、価格を劇的に下げたり、時折戻したりと、一見するとノンストップで価格をいじっているようだ。いったい、どうしたのだろう?
イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は利益よりも成長を優先させると述べているが、この姿勢は一部の投資家を警戒させ、値引き前に購入した顧客の少なからずを憤慨させている。
ここには様々な要因があり、そのすべてが混乱なのか、それとも自暴自棄なのか、意見の一致を見ることはできない。ここで知っておくべきことは、以下の通りだ。
テスラは浮動価格戦略をとっている
何年もの間、テスラの最も安い車は、米国の消費者が新車に支払う平均的な金額とほぼ一致していた。モデル3のスタート価格と業界の平均取引価格の差は、わずか300ドルほどだった。
2017年にセダンの生産を開始したとき、マスクは35,000ドルの値札を売り込んだが、これは当時の新車に支払われた平均34,944ドルとほぼ同じであった。それから5年が経ち、インフレがはじまったことで、モデル3は1月上旬の時点で、米国の平均47,681ドルに対して46,990ドルからスタートしている。

この浮動価格戦略は、自動車会社の中でもユニークなもので、マスクが2つの100年来の伝統を否定したことで可能になった。1つ目に、彼はフランチャイズ・ディーラー・モデルを排除し、顧客が支払う最終価格をテスラがコントロールするようにした。2つ目は、モデルイヤー(北米において、製品が製造された年を大まかに表すために使われる年)の開始時に価格を設定し、その後はほとんど据え置くという業界の常識に逆らったことだ。