コロナのパンデミック時に行われた閉鎖措置には、「病院が潰されるのを防ぐ」という包括的な狙いがあった。政府は、感染症が発生する時期をずらすことで、治療能力を高める時間を確保しようと考えたのだ。しかし、結局、この余分な能力の多くは使われることなく終わってしまった。英国の7つのナイチンゲール病院はわずかな患者を受け入れただけで閉鎖され、米国の野戦病院の多くも同様であった。欧州の経験をまとめた学術誌「Health Policy」によると、集中治療室のベッド数よりも病室の患者数が多かったのは、2020年4月3日にイタリアのロンバルディア州で起きた一例のみである。現在、中国の病院が出口の大波に直面し、圧倒されているという話があるが、これらが孤立した例なのか、より広範で体系的な失敗を表しているのかを知るのは早計だ。
中国以外では、コロナが人々の心に重くのしかかることは少なくなった。しかし、豊かな世界の多くの国々では、この病気が蔓延し始めて以来、医療制度が崩壊に近づいている。失業率やGDPとは異なり、各国の医療制度に関する比較可能な最新の数値はほとんど存在しない。そこでエコノミスト誌は、国、地