
欧州のエネルギー危機はまだ終わっていない

10月中旬、スペイン沿岸で、ゆっくりとした動きのいくつものメタルドームが水平線に浮かび上がった。それは、過冷却された液化天然ガス(LNG)を積んだタンカーで、大陸を横断する前に液体燃料をガスに変える「再ガス化」ターミナルへの配送を待っているところであった。イベリア半島にはヨーロッパ最大の施設があるが、他の地域でも混雑が始まっている。データ会社Kplerによると、ヨーロッパの沿岸に到着するLNGの量は、8月の14万トンから、120万トンまで増えている。今の所、少なくとも乗組員がリラックスできるような美しい天候に恵まれている。ヨーロッパ全土で季節外れの暖かさが続いており、南スペインでは30度を超える日が続いているのだ。