植田新総裁、世界の中銀で最も困難な仕事へようこそ
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の仕事が難しいと考える人は、日本銀行の次期総裁に指名された植田和雄氏に思いを馳せるべきだろう。最近まで、日本のインフレ率は長い間、中央銀行の目標値である2%を下回る水準にとどまっていた。

(ブルームバーグ・オピニオン) -- パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の仕事が難しいと考える人は、日本銀行の次期総裁に指名された植田和雄氏に思いを馳せるべきだろう。最近まで、数十年にわたる財政・金融刺激策にもかかわらず、日本のインフレ率は長い間、中央銀行の目標値である2%を下回る水準にとどまっていた。パンデミックとその余波は物価を力強く押し上げたが、予測によれば、これは長続きしない。通常の経済政策への道はまだ見えていない。その間、新総裁は以前の異常な介入の遺産に取り組まなければならない。