ペロシ訪台がグローバル市場に与える影響を懸念するストラテジストたち
2022年8月3日(水)、台湾の台北市にある立法院に到着したナンシー・ペロシ米下院議長(中央)。ペロシ氏は、25年ぶりに台湾を訪問した米国の最高位の政治家となり、中国がミサイル実験と台湾を包囲する軍事訓練を発表し、この数十年で最も挑発的な行動の舞台となることを促した。I-Hwa Cheng/Bloomberg

ペロシ訪台がグローバル市場に与える影響を懸念するストラテジストたち

ナンシー・ペロシの台湾訪問が市場に与えた直接的な影響は薄れつつあるが、ファンドマネジャーは世界の2大経済大国の間の摩擦関係をどう乗り切るかについて再考を迫られている。

(ブルームバーグ) – ナンシー・ペロシの台湾訪問が市場に与えた直接的な影響は薄れつつあるが、ファンドマネジャーは世界の2大経済大国の間の摩擦関係をどう乗り切るかについて再考を迫られている。

米中デカップリングの加速、脆弱なサプライチェーンへの新たな圧力、北京が保有する膨大な国債を武器化するのではないかという憶測など、投資家は米下院議長の訪台が長期的に市場にどのような影響を与えるかについて概説している。

ペロシの訪台は、米中間の競争激化に伴う市場リスクと、その関係が悪化した場合に中国市場、グローバル商品、安全資産への戦略的投資に与える影響に再びスポットライトを当てることになった。

香港のラボバンクでアジア金融市場調査を担当するマイケル・エブリは、「この問題は、市場の注目度が許す限りはるかに長く続くだろう」と指摘する。「しかし、地理的戦略家は、第4次台湾海峡危機の可能性がまだ心配なほど近くにあるという見解でほぼ一致している」

中国の軍事的対応に対する懸念が後退し、米連邦準備制度理事会(FRB)高官のタカ派的な発言で国債が売られたため、水曜日は安全資産が乱高下した。中国市場は弱含みで推移したが、ほとんどの株式と株式先物は牽引役として奮闘した。

投資家は、軍事演習や台湾の貿易制限にとどまらず、中国がどのような報復をするかについて、新聞の見出しを読み解くことを続けている。火曜日の国債利回りの急上昇は、1兆ドル近くある米国債の山をどうするかという議論を引き起こした。

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