米国株の市場心理は1999年以来最大のシフトに 「債券の年」説を圧倒[ブルームバーグ]
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

米国株の市場心理は1999年以来最大のシフトに 「債券の年」説を圧倒[ブルームバーグ]

昨年12月時点では、2023年は「債券の年」だと言われていた。冬の時期に1回か2回ほどは、そうした見方と、それを支えた経済の悲観論が正しいと思われた。

(ブルームバーグ):昨年12月時点では、2023年は「債券の年」だと言われていた。冬の時期に1回か2回ほどは、そうした見方と、それを支えた経済の悲観論が正しいと思われた。

しかし、現在では株式に需要が殺到し、世界中で猛烈な株高を巻き起こしている。センチメントレーダーのモデルで株・債券の比較が始まった24年前以来、どの時点よりも投資家は株式に対して楽観的になっており、相場上昇は終わりそうにないことを示唆している。

マニュライフ・アセット・マネジメントのアセット・アロケーション担当グローバル責任者ネイサン・スフト氏は「センチメントやテクニカル要因に加え、リセッション(景気後退)リスクがさらに薄れたのを受け、われわれは株式についてアンダーウエートからオーバーウエートに転じた」と語る。

今年は債券相場が急伸の年になる環境が整っていた。米連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な利上げ策が終了して緩和策に軸足が移れば、債券相場は上昇に転じ、景気下降に対する保険となるはずだった。

だがその代わりに、米経済はまれに見る偉業を成し遂げたようだ。インフレが鈍化する一方で、新たな雇用が創出されている。経済成長は加速を続け、FRBのスタッフでさえもはや景気後退を予想していない。

こうした想定外の展開を受け、セルサイドの著名ストラテジストの一部は間違いを認めており、目標株価を引き上げ、リセッション予測を後退させるか完全に断念したストラテジストもいる。

JPモルガン・チェースが先週に行った調査では、急激な利上げにもかかわらず米経済が拡大を続けると確信する顧客が半数以上を占めた。調査では、債券を犠牲にして株式エクスポージャーを増やそうと考えている投資家の数が急増したことも示された。

これは既に現実に起きている。ドイツ銀行によると、景気認識に基づき資金を配分する投資家は、20年遅くの新型コロナウイルスワクチンの発表時と同程度に株式購入ペースを上げている。上場投資信託(ETF)への資金流入をみると、ここ3カ月で債券よりも株式が強く選好されており、年初から大きく反転している。

原題:Stocks Crush ‘Year of Bond’ in Biggest Sentiment Shift Since ‘99(抜粋)

--取材協力:Colin Keatinge、Sid Verma、David Papadopoulos.

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