電池価格の高騰もエネルギー貯蔵セクターを冷え込ませない

今年は複雑な年だが、最終的には蓄電池業界にとってマイナスの要因よりもプラスの要因の方が多い年だと言える。コストの上昇は、電池供給や電力制御システムにおける新規市場参入の機会にもなっている。

電池価格の高騰もエネルギー貯蔵セクターを冷え込ませない
2022年8月10日(水)、米国ノースカロライナ州キングスマウンテンにあるアルベマール社の施設の研究開発エリアでテストされるリチウム電池。Logan Cyrus/Bloomberg

(ブルームバーグ) --リチウムイオン電池によるエネルギー貯蔵は、1990年代以降、新しいデバイスがこれまで以上に大きな需要を生み出すことで、桁違いに拡大してきた。最初にカムコーダーが登場し、次にパソコン、そしてスマートフォンやその他の個人向け電子機器が登場した。そして、2010年代には、最も新しく、最も大きな需要の中心である電気自動車が登場した。電気自動車は、現在、世界のリチウムイオン電池の製造の大部分を占め、研究開発も盛んに行われている。

産業が拡大するにつれ、コストも低下した。2013年から2021年にかけて、1キロワット時のリチウムイオン電池のコストは80%低下した。

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最強の会社は1on1ミーティングをやらない:エヌビディアの経営術

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AIブームをものにし、時価総額1兆ドル超えを達成したNVIDIA(エヌビディア)。創業者でCEOのジェンスン・フアンの経営手法は、1on1ミーティングをやらない、フラットな組織構造、毎日数百通の電子メールを送る、というユニークなものだ。 AIチップで知名度を上げたエヌビディアは、世界で6番目の時価総額を誇り、グローバルで2万6,000人以上の従業員を抱えている。それにもかかわらず、フアンの主なコミュニケーション手段は、毎日数百通の電子メールだと言われている。 米メディアThe New Yorkerによると、その電子メールの文章は非常に短いものという。彼の電子メールを「日本の俳句」に例える幹部もいれば、「身代金要求書」に例える幹部もいる。 「フアンは、固定された部門やヒエラルキーのない、アジャイルな企業構造を好む。社員は毎週、取り組んでいることの中で最も重要な5つのリストを提出する。フアンは夜遅くまでこれらの電子メールを精査しているため、メールの文面が簡潔であることが奨励されている」とThe NewyorkerのStephen Wittは書いた。「フアンはエヌビディアの巨大なキャン

By 吉田拓史
米国のEV革命は失速?[英エコノミスト]

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米国人は自動車が大好きだ。バッテリーで走らない限りは。ピュー・リサーチ・センターが7月に発表した世論調査によると、電気自動車(EV)の購入を検討する米国人は5分の2以下だった。充電網が絶えず拡大し、選べるEVの車種がますます増えているにもかかわらず、このシェアは前年をわずかに下回っている。 この言葉は、相対的な無策に裏打ちされている。2023年第3四半期には、バッテリー電気自動車(BEV)は全自動車販売台数の8%を占めていた。今年これまでに米国で販売されたEV(ハイブリッド車を除く)は100万台に満たず、自動車大国でない欧州の半分強である(図表参照)。中国のドライバーはその4倍近くを購入している。

By エコノミスト(英国)