アジアのミレニアル世代の富豪は一味違う

アジアのミレニアル世代の富豪は一味違う
2019年4月29日(月)、インドのムンバイで行われた国政選挙の第4期投票の際、投票所で写真撮影に応じる右からリライアンス・インダストリーズのムケシュ・アンバニ会長兼社長、息子のアカシュ・アンバニとアナント・アンバニ、娘のイーシャ・アンバニ、妻のニタ・アンバニ。 Dhiraj Singh/Bloomberg
“The

裕福な王朝は3代で破綻するという考え方は、歴史上も世界的にもよく出てくる。1700年に亡くなった英国の詩人ジョン・ドライデンは、「3代目の子孫が良い状態で続くことはめったにない」とつぶやいた。19世紀の米国では、成功した家族は「『ワイシャツ1枚』から『ワイシャツ1枚』(shirtsleeves to shirtsleeve:最終的に『ジャケットなし』に戻ること。富が食い尽くされる様)」と言われた。中国のことわざ「富貴三代、方知飲食」(3代目まで続いてやっと物事を本質を理解できること。3代続くのは稀)も似たようなニュアンスがある。

世界の超富裕層に新興国からの流入を受けるにつれ、3世代仮説が再び検証されつつあり、とりわけ発展途上のアジアでその傾向が顕著になっている。クレディ・スイスによると、5億ドル以上の資産を持つ個人は、2011年から2021年の間にアジアで 2,700人から7,100人近くまで増加したというから、アジア人はその数を増やすのに貢献している。アジアの大物たちは、アフリカや南米の大物たちよりも、この10年間で発展途上国が占める割合を37%から52%に押し上げることに成功した。スイスのザンクトガレン大学の研究者によると、世界の500大企業にランクインしている大陸の約80のファミリー企業の売上高の合計は、昨年10兆ドルを超えた(図表1参照)。

Read more

コロナは世界の子どもたちにとって大失敗だった[英エコノミスト]

コロナは世界の子どもたちにとって大失敗だった[英エコノミスト]

過去20年間、主に富裕国で構成されるOECDのアナリストたちは、学校の質を比較するために、3年ごとに数十カ国の生徒たちに読解、数学、科学のテストを受けてもらってきた。パンデミックによる混乱が何年も続いた後、1年遅れで2022年に実施された最新の試験で、良いニュースがもたらされるとは誰も予想していなかった。12月5日に発表された結果は、やはり打撃となった。

By エコノミスト(英国)
中国は2024年に経済的苦境を脱するか?[英エコノミスト]

中国は2024年に経済的苦境を脱するか?[英エコノミスト]

2007年から2009年にかけての世界金融危機の後、エコノミストたちは世界経済が二度と同じようにはならないことをすぐに理解した。災難を乗り越えたとはいえ、危機以前の現状ではなく、「新常態」へと回復するだろう。数年後、この言葉は中国の指導者たちにも採用された。彼らはこの言葉を、猛烈な成長、安価な労働力、途方もない貿易黒字からの脱却を表現するために使った。これらの変化は中国経済にとって必要な進化であり、それを受け入れるべきであり、激しく抵抗すべきではないと彼らは主張した。 中国がコロナを封じ込めるための長いキャンペーンを展開し、今年その再開が失望を呼んだ後、このような感情が再び現れている。格付け会社のムーディーズが今週、中国の信用格付けを中期的に引き下げなければならないかもしれないと述べた理由のひとつである。何人かのエコノミストは、中国の手に負えない不動産市場の新常態を宣言している。最近の日米首脳会談を受けて、中国とアメリカの関係に新たな均衡が生まれることを期待する論者もいる。中国社会科学院の蔡昉は9月、中国の人口減少、消費者の高齢化、選り好みする雇用主の混在によってもたら

By エコノミスト(英国)
イーロン・マスクの「X」は広告主のボイコットにめっぽう弱い[英エコノミスト]

イーロン・マスクの「X」は広告主のボイコットにめっぽう弱い[英エコノミスト]

広告業界を軽蔑するイーロン・マスクは、バイラルなスローガンを得意とする。11月29日に開催されたニューヨーク・タイムズのイベントで、世界一の富豪は、昨年彼が買収したソーシャル・ネットワーク、Xがツイッターとして知られていた頃の広告を引き上げる企業についてどう思うかと質問された。「誰かが私を脅迫しようとしているのなら、『勝手にしろ』」と彼は答えた。 彼のアプローチは、億万長者にとっては自然なことかもしれない。しかし、昨年、収益の90%ほどを広告から得ていた企業にとっては大胆なことだ。Xから広告を撤退させた企業には、アップルやディズニーが含まれる。マスクは以前、Xがブランドにとって安全な空間である証拠として、彼らの存在を挙げていた。

By エコノミスト(英国)