米中が緊張する中、シンガポールはチップへの投資を検討
2022年12月14日(水)、東京で開催された「セミコン・ジャパン」で展示された、昭和電工マテリアル株式会社など11社からなるコンソーシアム「JOINT2(Jisso Open Innovation Network of Tops 2)」が開発した2.5Dパッケージに用いるチップオンウエハ。Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

米中が緊張する中、シンガポールはチップへの投資を検討

貿易や技術をめぐる米中の地政学的対立が深まる中、シンガポールは半導体組立や集積回路設計への投資で「公正なシェア」を獲得することを目指すと、政府高官が述べた。

(ブルームバーグ) -- 貿易や技術をめぐる米中の地政学的対立が深まる中、シンガポールは半導体組立や集積回路設計への投資で「公正なシェア」を獲得することを目指すと、政府高官が述べた。

シンガポール経済開発庁(EDB)のべー・スワンジン長官は、Bloomberg TelevisionのHaslinda Aminとのインタビューで、米国への投資誘致と中国の経済的影響力の抑制を目的とした米国のいわゆるCHIPS法の影響について議論しながら、シンガポールは半導体バリューチェーンに注力することになるだろう、と述べた。

バイデン政権によるこの動きは、「製造業と技術開発を米国に呼び戻すための強硬な産業政策」であると、ベー氏は述べた。「その結果、投資競争が激化し、今日シンガポールも目指しているようなタイプの投資が行われるようになったことは間違いない」

また、シンガポールは現在、世界のウェハファブの生産高の約5%を占めていることにも触れ、「我々は、それをそのまま受け止め、公正なシェアを確保するために最善を尽くすだろう」と述べた。

シンガポールは昨年、ベー氏が「前例のない半導体スーパーサイクル」と表現した現象のおかげで、過去最高の225億シンガポールドル(約170億ドル)の固定資産投資コミットメントを集めた。EDBは、2022年の投資実績は再現しないかもしれないが、設計関連のチップの仕事は着実に増えており、成熟したノードやウェハファブの誘致は今後も続くと見ている。

「我々は小さな国なので、ある意味、経済を発展させ続けるために確保しなければならないパイの割合は比較的小さいのです」とべーは述べている。

Sing Yee Ong. Singapore Eyes Chips Investments Amid US-China Tension.

© 2023 Bloomberg L.P.

翻訳:吉田拓史、株式会社アクシオンテクノロジーズ

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