グレート・ソルト湖が干上がり「環境核爆弾」に直面するユタ州
2022年3月15日、ユタ州のアンテロープ島州立公園から見た、縮小するグレートソルトレイク(グレート・ソルト湖)。水が引くにつれて、島は半島になった。(Bryan Tarnowski/The New York Times)

グレート・ソルト湖が干上がり「環境核爆弾」に直面するユタ州

気候変動と急激な人口増加により、グレート・ソルト湖は縮小し、有毒な粉塵が舞い上がり、ソルトレイクシティ周辺の空気を汚染する恐れがある。

ニューヨーク・タイムズ

[著者:Christopher Flavelle]ソルトレイクシティ - すでに3分の2に縮小したグレート・ソルトレイク(グレート・ソルト湖)がこのまま干上がり続けると、次のようになる。

湖に生息するハエやブラインシュリンプ(塩水湖に生息する動物プランクトンの一種)が死滅してしまう―早ければ今年の夏から始まるだろうと科学者は警告している。ソルトレイクシティの上にあるスキー場は、重要な収入源であるスキー場のコンディションが悪化するだろう。湖からマグネシウムやその他の鉱物を採取することもできなくなるかもしれない。

最も心配なのは、ソルトレイクシティ周辺の大気が有毒化することだ。湖底には大量のヒ素が含まれており、それが露出すると、ユタ州の人口の4分の3を占める周辺住民の肺にヒ素が風によって運ばれてしまうのである。

湖の北側に住む共和党の州議会議員で牧場主のジョエル・フェリーは、「何か劇的な行動をとらなければ、この潜在的な環境核爆弾は爆発してしまうだろう」と語った。

気候変動が記録的な干ばつを引き起こし続ける中、簡単な解決策はない。グレート・ソルト湖を守るためには、山々からの雪解け水をより多く湖に流す必要があるが、それは住民や農民が使える水の量を減らすことを意味する。そうなれば、ユタ州の人口増加や高価値の農業を脅かすことになり、州首脳はこの問題に消極的であるようだ。

ユタ州のジレンマは、米国が熱くなるにつれ、核心的な問題を提起している。気候変動の影響が急を要し、明らかになり、壊滅的な被害をもたらす可能性があるにもかかわらず、アメリカ人はどれだけ早くその影響に適応しようとするだろうか?

より積極的な行動を望む共和党のティモシー・D・ホークスによれば、その賭け金は驚くほど高い。グレート・ソルト湖は、数十年前に干上がったカリフォルニア州のオーエンス湖のような運命をたどることになるのだ。

「湖が消えるというのは、単なる脅しではない。実際に起こりうることなのだ」

オアシスに迫る脅威

太平洋の端で車に乗り込み、アメリカ合衆国の真ん中を横切るように東に向かって走り始めたとする。緑豊かな北カリフォルニアのクラマスやカスケード山脈を越えると、ネバダ州やユタ州西部のグレートベイスン砂漠に到着する。アメリカでも有数の乾燥地帯であるこの地は、灰色に近いほど淡い茶色をしている。

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