新興国市場、海外投資家の撤退が相次ぐ
海外投資家による新興国市場からの資金引き揚げが5ヶ月続いており、景気後退懸念と金利上昇が新興国経済に影響を与えていることが伺える。
海外投資家による新興国市場からの資金引き揚げが5ヶ月続いており、景気後退懸念と金利上昇が新興国経済に影響を与えていることが伺える。
フィナンシャル・タイムズ(FT)がまとめた暫定データによると、海外投資家による新興国株式と国内債券の国境を越えた資金流出は、今月105億ドルに達した。これは、2005年に記録が始まって以来、最も長い純流出期間である。
FTが収集した JPモルガンのデータによると、先進国の資本市場で発行された債券に投資する新興市場外貨建て債券ファンドから、投資家は今年これまでに300億ドルを引き揚げたという。少なくとも20のフロンティアおよび新興市場の外貨建て債券は、同等の米国債よりも10%ポイント以上高い利回りで取引されている。このような高水準のスプレッドは、しばしば深刻な金融ストレスや債務不履行のリスクを示す指標とみなされる。