(ブルームバーグ) -- ドイツは何十年もの間、欧州の経済エンジンであり続け、次々と起こる危機を乗り越えて欧州を引っ張ってきた。しかし、その回復力が失われつつあり、欧州大陸全体に危機感をもたらしている。
数十年にわたるエネルギー政策の欠陥、内燃機関自動車の終焉、新技術への移行の遅れなどが重なり、統一以来、ドイツの繁栄に最も根本的な脅威を与えている。しかし、1990年当時とは異なり、政治家は国の競争力の根幹を揺るがす構造問題に取り組むリーダーシップを欠いている。
独化学メーカー BASFのマーティン・ブルーダミュラー最高経営責任者(CEO)はブルームバーグに、「ドイツで起きているこのような問題は、積み重なっているのだ。私たちの前には変革の時期が待っている。みんながこのことに気づいているかどうかはわからない」と語った。
ベルリンは過去に危機を克服する手腕を発揮してきたが、今問われているのは、持続的な戦略を追求できるかどうかだ。その見通しは立っていない。オラフ・ショルツ首相の臨時連立政権は、エネルギー不足のリスクが緩和されるやいなや、債務や支出、ヒートポンプや速度制限など、あらゆる問題