国営石油会社が世界のエネルギー転換の成否を握る
石油リグで作業するサウジアラムコのエンジニア。出典:サウジアラムコ

国営石油会社が世界のエネルギー転換の成否を握る

エコノミスト(英国)
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気候変動活動家は、エクソンモービルやシェルを悪者扱いするのが大好きだ。このような民間の巨大エネルギー企業は、石油やガスを捨てて自然エネルギーやその他のグリーンテクノロジーを採用するよう、委任状争奪戦(プロキシーファイト)や法的措置などの圧力を受ける側にいる。超大企業は魅力的なターゲットである。彼らはどこにでもある流通網と、消費者のボイコット対象になりやすい有名なブランドを持っているからである。地球温暖化との闘いにおいては、こうした圧力は歓迎されることが多い。しかし、石油市場においては、民間企業の力は想像以上に小さい。エネルギー転換が成功するかどうかは、国家主導の石油メジャーがどのような行動を取るかに大きく依存する。

スーパーメジャーが「大手石油」だとすれば、国営石油会社(業界用語ではNOC)は「巨大石油」である(図表1)。国営石油会社は、世界の原油の5分の3(図表2)と天然ガスの半分を生産しており、国際的な大手石油会社の10分の1強に相当する(残りは独立系の中小企業によって生産されている)。また、世界で発見されている石油・天然ガスの埋蔵量の3分の2は、これらの企業が保有している。アラブ首長国連邦のADNOC、ベネズエラのPDVSA、カタールエナジー、サウジアラムコの4社は、40年以上にわたって現在のペースで生産を続けられるだけの炭化水素を保有しているのである。

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