強い薬の時間  中央銀行はいかにしてインフレ退治に向かうか
米連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長。Photographer: Brendan Smialowski/AFP/Bloomberg

強い薬の時間 中央銀行はいかにしてインフレ退治に向かうか

米国と欧州では、政策立案者は物価上昇への対処が容易でないことを受け入れ始めている。投資家やエコノミストは、政策立案者は失業率の上昇や経済の停滞といった痛みを避けるのに苦労するだろうと考えている。

エコノミスト(英国)

世界で最も注目されている中央銀行が、ついにインフレの押さえつけに踏み切った。しかし今週は、このことが代償を伴うことを中銀が理解していることが明らかになった。

イングランド銀行が5回目の利上げを行った英国から、2007年以来初めて利上げを行ったスイスまで、ほぼすべての主要経済国の政策立案者が、当初は儚いとされたインフレに脅かされ、刺激策のタップを緩めつつある。

しかし、特に米国連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)の2大銀行にとっては、大幅な金利上昇の見通しは厄介なトレードオフをもたらす。FRBにとっては、1980年代以降で最も積極的な金融引き締め策を進める中で、雇用が危機にさらされている。一方、ECBは今週緊急会合を開き、ユーロ圏の分裂を回避するための新たな計画への取り組みを加速させると発表した-特に南欧とイタリアが危機に陥る危険性を認識したのだ。

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