
米国の石油会社が欧州の救済に乗り出さない理由
米国のエネルギー生産は、石油やガスの価格が高止まりしないことを懸念する経営者たちが、少しずつ増やしているに過ぎない。欧州が一部の指導者のロシアの石油や天然ガスの購入をやめたとしても、すぐに米国産の燃料で置き換えることはできないだろう。
[著者:Clifford Krauss]石油とガソリンの価格が上昇している。エネルギー会社の利益は急増している。化石燃料の使用を減らすことを約束して就任したジョー・バイデン大統領は、事実上、「ドリル、ベビードリル」(編注:共和党の石油やガスの掘削を増やすことを支持する選挙スローガン)の大合唱に加わっている。ヨーロッパは、ロシアへの依存をやめたいと考えている。
しかし、米国の石油企業の多くは、このチャンスを生かすために石油を増産しようとは考えていない。
米国のエネルギー企業の石油生産量はほぼ横ばいで、少なくともあと1〜2年は大幅に増加する見込みはない。欧州が一部の指導者の約束通りロシアの石油や天然ガスの購入をやめたとしても、そのエネルギーをすぐに米国産の燃料で置き換えることはできないだろう。