
世界的なインフレが需要を破壊し始めた
食品、燃料、プラスチック、金属など、世界で最も重要な製品の価格が急騰している。消費者は節約を余儀なくされ、すでにパンデミックや戦争に見舞われている経済が再び不況に陥るかもしれない。
食品、燃料、プラスチック、金属など、世界で最も重要な製品の価格が、多くの消費者が購入できる範囲を超えて急騰している。このため、消費者は節約を余儀なくされ、この傾向が強まれば、すでにパンデミックや戦争に見舞われている経済が再び不況に陥るかもしれない。
この現象は、大小さまざまな形で起きている。中国では天然ガス価格の高騰により、天然ガスを使用するセラミック工場は操業停止を余儀なくされている。ミズーリ州のあるトラック運送会社は、高騰するディーゼル燃料のコストを顧客から十分に回収できないため、営業停止を検討している。電気炉を使用するヨーロッパの製鉄所では、電力コストの高騰により生産が縮小され、金属がさらに高価になる。
国連によると、ロシアのウクライナ侵攻により、世界の穀物の4分の1と食用油の多くを供給している国々からの出荷が途絶えたため、世界の食料価格は先月、過去最高を記録したそうだ。より高価な食品は、中産階級にとっては不満かもしれないが、貧困から抜け出そうとする地域社会にとっては壊滅的な打撃となる。一部の人にとって、「需要破壊」は「飢餓」を表現する言葉になるだろう。

先進国では、エネルギーコストと食料コストの上昇により、家計は外食や旅行、最新のiPhoneやプレイステーションなどの裁量的な支出を削減せざるを得なくなる可能性がある。中国が製鉄のトップハブをコロナウイルス感染症の感染拡大で封鎖することを決めたことで、供給が制限され、家電製品や自動車などの高額商品の価格が上昇する可能性がある。テスラ、フォルクスワーゲン、ゼネラルモーターズの電気自動車(EV)は未来の輸送手段かもしれないが、その電池に含まれるリチウムは1年前と比べて500%近くも高くなっているのである。