CEOたちはAIをめぐる難しい舵取りを強いられている： Adrian Wooldridge［ブルームバーグ・オピニオン］

(ブルームバーグ・オピニオン) -- 最高経営責任者（CEO）の肩には、新たな仕事がのしかかり続けている。1980年代以降の中国の経済的台頭は、彼らが中国学者にならざるを得ないことを意味した。ブレグジットとドナルド・トランプの大統領就任という2つのポピュリズム的ショックは、資本主義システムの正当性について考えなければならないことを意味した。そして今、次の技術革命がワープスピードで進行する中、彼らは人工知能の専門家にならなければならない。

中国が台頭する時代には、CEOは（少なくとも）北京語をマスターしようとした。今日、彼らはAI用語を会話の中に散りばめている。 ファウンデーションモデル（基盤モデル）、大規模言語モデル、ハルシネーション（幻覚）、その他もろもろ。マッキンゼー・アンド・カンパニーやボストン・コンサルティング・グループなどのコンサルタント会社が運営する講習会に従順に参加し、最新の書籍を必死に読んでいる。CaixaBank のゴンサロ・ゴルタサルCEOは、経営陣の雰囲気をこう総括する。「生成AIのモデルは、我々を驚かせ、感動させ、同時に怖がらせる」

変化のスピードは首を絞めるほどだ。ChatGPTは1年も前の2022年11月30日にリリースされ、わずか2ヶ月で1億人のユーザーを獲得した。インターナショナル・ビジネス・マシーンズ（IBM）が3,000人のCEOを対象に行った調査では、43％が自社が戦略的なビジネス上の意思決定を行うために生成AIを利用していると回答し、75％がいずれ自社に競争力をもたらすと考えていることがわかった。マッキンゼーの調査では、回答者の3分の1が、少なくとも1つのビジネス機能にAIを定期的に使用していると回答している。