メタ、AR / VR用のOS開発中止の報道を否定

メタはプロジェクトのリーダーがグーグルに移籍したことで、AR / VRデバイス用に独自のOSを構築するプロジェクトを中止したと報じられた。メタは事実無根と反論している。

米ニュースサイトThe Informationによると、数百人の従業員が関与し、何年も前から計画されていた「XROS」(AR/VRの総称であるXRにちなんで命名)と呼ばれるプロジェクトの開発を中止した。これによりMetaは、Quest(旧Oculus)のVR機器で使用されているAndroidベースのOSを使うことになり、利便性はあるものの、メタは他社のOSに依存することになる。

記事によると、XROSの開発は2017年に始まり、300人以上が取り組んでいたという。XROSの名称は、メタのCEOであるマーク・ザッカーバーグとCTOのアンドリュー・ボスワースが以前に公に話した「リアリティ・オペレーティング・システム」と同義のようだ。

2021年6月、ザッカーバーグは、メタがハードウェアのすべてのレイヤーを厳密にコントロールできる「マイクロカーネルベースのオペレーティングシステム」を作ることについて説明し、チームがこの構想を「かなり進めている」と語り、その市場投入を「それほど遠くない未来」と表現していた。XROSの中止がProject AriaやNazareと呼ばれるプロトタイプを含む、メタの新しいARグラスの製造計画に影響を与える兆候はないが、どうやらAndroidベースのOSを使用することになるかもしれない。

XROSの開発は、元マイクロソフトのチームリーダーであるマーク・ルコフスキーが、Googleで同様のAR OSプロジェクトに取り組むために退職すると発表した直後に停止したと報じられている。ルコフスキーはThe Informationに対し、元メタ(旧Facebook)社員のフランシス・ホーゲンがテレビ番組のインタビューで同社の有害なビジネス慣行を公に非難したことに加え、「メタが新たにメタバースを中心に据えたことを退職の理由としているようだ。

「Facebookは売上を優先し誤情報とヘイト拡散を見逃した」と内部告発
Facebookの元従業員は、同社がプラットフォーム上でのヘイト、暴力、誤情報を抑制するより広告収益を優先してきた経緯を暴露。その証拠として「何万ページもの」文書を提示した。同社はケンブリッジ・アナリティカのスキャンダル以来、最も深刻な危機に陥っている。

メタにとってARやVRを搭載したデバイス用に別のOSを構築することで、GoogleやAppleなどのモバイルOSメーカーへの依存度を下げることが長期的な目標となっていた。また、メタのヘッドセットは、AppleがライバルのVR機器をリリースした場合、大きな競争に直面することにもなる。

メタは、The Informationに掲載された以前の報道に反論して、仮想現実や拡張現実を搭載したデバイスを動かすための新しいOSの開発を停止する予定はないと述べた。

メタの広報担当者は「リアリティ・オペレーティング・システムの開発を中止したり、規模を縮小したりすることはない」とブルームバーグに対し語っている。

メタのVPであるガブリエル・オールは、この記事を取り上げたツイートを投稿している。オールは「@RealityLabsのOSを構築するための取り組みでは、いくつかの技術的な方向性を追求しているが、現在も我々のデバイス用に高度に特化したOSに取り組んでいる。我々はこのチームを縮小するのではなく、成長させている。私たちの仲間になりませんか?」と書いている。