![トップ電池メーカーCATL、EV販売ブームで利益63%増[ブルームバーグ]](/content/images/size/w2640/2023/07/400442037.jpg)
トップ電池メーカーCATL、EV販売ブームで利益63%増[ブルームバーグ]
中国の電池メーカー、寧徳時代新能源科技(CATL)の四半期利益は、世界的な電気自動車販売の増加とリチウムなど主要材料の価格安定を追い風に急増した。
(ブルームバーグ) -- 中国の電池メーカー、寧徳時代新能源科技(CATL)の四半期利益は、世界的な電気自動車販売の増加とリチウムなど主要材料の価格安定を追い風に急増した。
火曜日に発表された同社の上半期決算をブルームバーグが集計したところ、6月までの3ヶ月間で純利益は63%増の109億元(15億ドル)となった。売上高は56%増の1,000億元。両数値ともアナリスト予想を上回った。
ブルームバーグがまとめたサプライチェーンデータによると、CATLの売上高の12%を占めるトップ顧客テスラの四半期売上高が過去最高を記録したことが、福建省を拠点とする同社の利益成長を後押しした。
CATLは、フォード・モーター、フォルクスワーゲンAG、現代自動車、NIOなども顧客に持ち、生産量を拡大するにつれて、世界のEV用バッテリー市場における支配力を強めている。SNE Researchによると、2023年1~5月のシェアは36.3%で、前年同期から1.7ポイント上昇した。深圳を拠点とするBYDは16.1%のシェアで、拡大するクリーンカーのラインナップに使用されるバッテリーを生産している。

EVバッテリーに使用される炭酸リチウムの中国価格は昨年から半値に下がり、CATLのコスト圧力は緩和された。
CATLの株価は水曜日、深センの取引開始数分で1.2%下落したが、その後下げ幅を縮小した。株価は火曜日に3.4%上昇し、6月15日以来最大の上昇となった。火曜日の上昇前、株価は今年ほとんど変動がなかった。
ブルームバーグ・インテリジェンスの見解
CATLは下期まで力強い売上成長を維持する態勢を整えており、リチウムコストの低下とスケールメリットの拡大が、電池価格下落に対するマージンの防波堤となっている。中国のEV販売は、新モデルの投入とゼロ購入税の拡大で加速しており、国内需要は引き続き堅調である。需給と電池価格ダイナミクスが中国よりも有利な海外での電池メーカーのプレゼンス拡大も、売上と収益性を押し上げる可能性がある。– BIの自動車・産業アナリスト、ジョアンナ・チェンとスティーブ・マン
ジェフリーズは今回の決算に反応し、株価をホールドからバイに格上げ、目標株価を271元から291元に引き上げた。
同社によると、上半期の売上高は1890億元で、純利益は207億元だった。売上総利益率も成長を続け、前年同期比約3ポイント増の21.6%に達した。
EV用セルを製造するCATLの主力事業であるパワーバッテリー事業の売上高は1,390億元で、上半期の売上高の74%を占めた。寄与率は前年同期比で4ポイント上昇した。急成長しているエネルギー貯蔵事業は、トップラインに280億元貢献した。
同社の広範な野心には、ハンガリーに76億ドル、100ギガワット時(GWh)のバッテリー工場を建設することや、フォード・モーターとの35億ドルの取引で、同社のライセンスと技術に基づく生産拠点を米国で運営することなどが含まれる。この契約は、中国の関与をめぐってフォードとCATLへの圧力が高まるなか、議会の精査に直面している。
CATLの海外売上高は、前年同期の25%から上半期は35.5%に急増し、国際的な事業展開が実を結びつつあることを示している。
--取材協力:シャーロット・ヤン
Top Battery-Maker CATL’s Profit Soars 63% Amid EV Sales Boom
By Danny Lee
© 2023 Bloomberg L.P.
翻訳:吉田拓史、株式会社アクシオンテクノロジーズ