半導体パッケージング技術が次の戦場になるとCEOが語る[ブルームバーグ]

ケイデンス・デザイン・システムズ最高経営責任者(CEO)のアニルド・デーヴガンは、米国は人工知能などの新興技術をリードするために最先端の半導体パッケージング技術にもっと投資すべきだと述べた。

(ブルームバーグ) – ケイデンス・デザイン・システムズ最高経営責任者(CEO)のアニルド・デーヴガンは、米国は人工知能などの新興技術をリードするために最先端の半導体パッケージング技術にもっと投資すべきだと述べた。

洗練されたチップパッケージングは、NVIDIAが業界をリードするAIアクセラレータを開発するのに役立ったが、限られたサプライヤが今や米国企業にとってボトルネックとなっている旨。コンピューティングの需要が高まり、先進的なチップはトランジスタが小さくなるにつれて製造コストが高くなるため、シリコンを3次元構造に組み立て、物理的な制約を回避することが不可欠になっている。

「チップ製造は3ナノメートル、2ナノメートルと微細化することが非常に重要ですが、パッケージングにも投資しなければなりません」と、デーヴガンは台北でのブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。デーヴガンの会社は、世界3大半導体設計ソフトウェア・プロバイダのひとつであり、NVIDIAをはじめとするAIハードウェア開発企業を顧客としている。

いわゆる「チップレット」を積み重ねて多機能の3Dチップにすることは、シリコン設計者がその能力を向上させる方法のひとつである。これは、生成AIのようなワークロードを計算するのに十分強力なチップを、リーズナブルなコストで実現するのに役立っている。カリフォルニア州サンノゼに本社を置くケイデンスのCEOは、この分野でのリードを確保することは米国にとって優先事項であると述べた。

「パッケージングを行うためにファブを所有する必要はない。米国政府にとって、このような技術を持つことは良いことです」とデーヴガンCEOは言う。

NVIDIAのケースはその一例で、同社は他の業界に対して明確な技術的優位性を持っているが、先進的なAI部品のチップメーカーである台湾積体電路製造股份有限公司が提供する限られたキャパシティによって供給制約を受けている。先週のセミコン台湾で、TSMCのマーク・リュー会長は、NVIDIAが8月下旬に部品調達の進展に満足していると述べた後、供給不足はさらに18カ月続くとの同社の見解を再確認した。

ケイデンスのソフトウェアは、大小の半導体企業にとって不可欠な設計ツールである。昨年、米商務省が中国の先端技術へのアクセスを遮断する措置の一環として、最先端半導体の設計ソフトウェアに輸出規制をかけたことで、世界のチップ産業における同社の重要な役割が浮き彫りになった。

同社は520億ドル規模のChips and Science Act(CHIPS法)からの資金援助を申請することを検討している、とデーヴガンは述べた。

Chip Packaging Is the Next Battleground for Tech Lead, CEO Says

By Jane Lee and Debby Wu

© 2023 Bloomberg L.P.

翻訳:吉田拓史(株式会社アクシオンテクノロジーズ)

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