米上場廃止の懸念による中国ハイテク企業の売りが深刻化

中国のハイテク株は、新たな規制懸念が今週の乱高下に揺れる投資家を狼狽させ、米国の同業他社の夜間安に追随して下落した。

香港のハンセンテック指数は現地時間午後3時21分現在、3.3％安で取引されており、午前中に8.9％も下落した前日の下げ幅を縮小している。トレーダーは、会計規制の協力に関する米中交渉が順調に進み、双方が問題解決に意欲を示したと地元メディアが報じたことが、ベンチマークであるハンセン指数も午後には1.1％まで下げ幅を縮小した理由だと考えている。

金曜日の早朝に売りが出たのは、米証券取引委員会が今週、特定の監査要件を満たさない場合、上場廃止の対象となる可能性がある中国企業5社を特定したことによる。ナスダック・ゴールデン・ドラゴン・チャイナ・インデックスは、中国の証券監督機関が米国に協力すると述べたにもかかわらず、夜間に10％下落し、2008年10月以来最大の下げ幅となった。

アナリストによると、上場廃止のリスクは短期的には顕在化しそうにないが、このニュースは、北京の1年にわたる弾圧とウクライナ戦争の影響ですでに緊張していた投資家を狼狽させた。2021年2月のピークから、中国ハイテクゲージは60％以上下落した。

ユニオン・バンケール・プリヴェのシニアアナリスト、ヴェイサーン・リンは「ADR上場廃止への懸念再燃による売りは、事前に発表されていない新しいプロセスが何もないため論理的ではない」と述べた。「この分野のセンチメントは非常に弱いが、無差別な売りは長期投資家にとって良い機会となる可能性がある」

今週、香港と陸上の株式ベンチマークは新たな変動に見舞われ、価格は日中大きく揺れ動いた。北京では最近、当局がフードデリバリー・プラットフォームに対してレストランへの手数料引き下げを要請し、メタバースに関連する製品への投資のリスクを警告するなど、民間企業への取り締まりが強化されたようだ。

今週、ノルウェーの政府系ファンドが、中国発スポーツブランド『 LI-NING(リーニン) 』が中国の新疆における深刻な人権侵害に寄与しているとの理由から同社を投資対象から除外すると発表し、他の長期投資家が撤退する可能性があるという懸念を呼び起こし、香港株の見通しは一転して悪化している。

Ample Capitalの資産運用ディレクターである Alex Wongは、金曜日の Bloomberg TV で、「LI-NINGのようなケースをすでに見ているので、外国人投資家が中国から撤退することを心配していると思う」と述べた。「つまり、これは市場にとってかなり新しいことだ。もちろん、規制リスクも残っている」。

テクノロジー投資家へのもう一つの打撃として、滴滴出行は、中国の規制当局から機密ユーザーデータの取り扱いシステムの見直しを要求されたため、予定していた香港での上場準備を中断したと、この問題に詳しい関係者は述べている。滴滴出行は昨年、技術的な取り締まりの最大の標的の一つとなっていた。

一方、中国のCSI300指数は金曜日の午後、2.7％もの損失を帳消しにしました。景気浮揚のための減税や地方政府への財政支援を発表した全国人民代表大会は、金曜日に終了した。それでも、株式ベンチマークのパフォーマンスは、2008年以来、このイベント期間中では最悪だった。

Infinity Asset Managementのチーフ・インベストメント・オフィサー、Alex Chowは「投資家は、国家がディップを買っていると推測し、おそらく中国が全人代後に支援政策をとることを期待している」と言う。

--Shikhar Balwani、David Ingles、April Maの協力を得ています。

Chloe Lo and John Cheng. China Tech Selloff Deepens as U.S. Delisting Fears Alarm Traders.

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